展示会場でも最大面積を占めていた「ユビキタス・ショーケース」は、ユビキタス・コンピューティングを実現するための要素技術や各種実証実験の体験ツアーで構成。体験ツアーでは、「食品トレーサビリティ」「物流システム」の順番で食品の生産から物流までを体験できるようになっていた。
また、坂村氏が現れて人だかりができる場面も見られた。
こうした物流やucodeを支える要素技術の1つとして、各種ICタグ(RFID)を展示するブースが各所に見られた。特に、サトーと大日本印刷は多様多数のRFIDタグを展示していたのが目を引いた。電子ペーパーが注目を集めていた富士通も、RFIDに多くのスペースを割いていた。
パーソナルメディアは、EclipseベースのT-Engine用統合開発環境を参考出展。ターゲット(T-Engineボード)との接続は、LAN(FTP)あるいはシリアル(XMODEM)。プログラム作成からビルド、ターゲットへの転送、実行、ソースデバッグをシームレスに行えるという。
組み込み系では、ウインドリバーや京都マイクロコンピュータがすでにEclipseベースのツールを提供しているが、この波がT-Engineの世界にも押し寄せてきたことになる。提供時期や方法はまだ確定していないが、要注目である。
NECブースには、Teacubeをベースにした「SpaceCube」が展示されていた。IEEE1355を拡張した「SpaceWire」を3ポート搭載。
その隣には、小惑星イトカワに着陸した「はやぶさ」に搭載されていた小惑星探査ロボット「ミネルバ」(開発はJAXA)のバックアップ機が展示されていた。OSにμITRONを採用していることでも話題になったので、知っている人も多いだろう。予想より小さいこともさることながら、スケルトンモデルを見ると意外に密度も高くないことに驚かされた。
政府出展パビリオンでは、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省がそれぞれブースを構えて出展。見事な縦割り展示で、坂村氏が唱える「共通のインフラ」実現への道の険しさを感じないでもない。今後各省庁が今後、共同プロジェクトを立ち上げることはあるのだろうか。不安を禁じ得ないが、まだ「1992年相当」と考えれば、この程度なのかもしれない。
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