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スバルが社長交代、品質保証や製造を経験した大崎氏が新CEOに製造マネジメントニュース

SUBARUは2023年3月3日に開催した取締役会において、社長人事を内定した。

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新社長に就任するスバルの大崎篤氏[クリックで拡大] 出所:スバル

 SUBARU(スバル)は2023年3月3日に開催した取締役会において、社長人事を内定したと発表した。取締役専務執行役員 製造本部長の大崎篤氏が代表取締役社長 CEOに就任する。現在、代表取締役社長 CEOを務める中村知美氏は取締役会長になる。社長人事は2023年6月に開催予定の定時株主総会と取締役会を経て正式に決定する。

 新社長の大崎氏は1962年4月生まれ。1988年3月に東京農工大学大学院 工学研究科を修了し、同年4月に当時の富士重工業に入社。エンジンやトランスミッションの設計、商品企画や技術管理を経て、2013年から直近まで品質保証に携わる。軽自動車の担当が長い。2017年10月以降の完成検査問題では、再発防止策の策定などに当たった。また、30代後半から8年間にわたって労働組合の専従役員も務めた経歴を持つ。

 新体制によって、新たな変化や刺激を会社にもたらすことで組織の活性化を促進し、変革をさらに推し進める必要があると判断した。大崎氏は社内で定めた「ふさわしいCEO像」に合致する人物だとしており、開発と製造の両方を知るキャリアが電動化の進展の中でも生きるとみて取締役会で選出した。

 現社長の中村氏は2018年に就任。完成検査問題に端を発するコーポレートガバナンスの強化、品質に対する意識や企業風土の改革、トヨタ自動車との関係強化やスバルブランドの価値向上に取り組んできた。「自己評価ではあるが、その成果は着実に出ている。品質に関しても市場措置の件数と台数は減少傾向にあり、迅速な原因究明と対策を行うための設備や組織体制も構築できた。開発の上流からの品質改善も進んでいる。スバルとして守るべき領域に共感してくれる後継の人材も育ってきた」(中村氏)と振り返る。

 かじ取りが難しい環境が続いていることについては、「足元の半導体不足、米国市場の電動化の進展など、不透明な環境は仕方がない。環境の変化に柔軟性を持って対応し、一定の方向が見えてきたら一気に拡張していこうと考えている。2022年は生産体制の再編計画を策定し、それが実行に移りつつある。少しずつ方向を定めながら、次の中期経営計画も策定していきたい」(大崎氏)と述べた。

 大崎氏は今後のスバルらしさに関して「水平対向エンジンやAWDシステム、アイサイト、衝突安全性能といったスバルの提供価値が、安心感や安全、運転の楽しさとしてスバルのユーザーに認められた。機能やデバイスから、情緒的な価値に進化していった。スバルらしいまじめさやコアな部分は電動化が進む中でもしっかり押さえていきたい」とコメント。

 また、大崎氏は完成検査問題の解決に取り組んだことを、「クルマづくりにたくさんの職場や従業員が関わっており、いずれが欠けてもクルマをつくれないことを実感した。1つ1つの職場と従業員が、ユーザーに信頼される仕事をすることが重要だ。困りごとがあったときに上司にエスカレーションできるか、上司がそのエスカレーションを受けて対応できるか、といった上下のコミュニケーションも大切だ」と振り返った。

 トヨタ自動車との関係については「ひざ詰めの議論ができる強固な関係になってきた。社内では、トヨタに信頼される、リスペクトされる仕事をしようと一枚岩になっている。これを継承していきたい」と抱負を述べた。

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