スバルが国内生産拠点に5年で2500億円投資、EV専用の生産ラインも検討中:電動化
SUBARU(スバル)は2022年5月12日、国内の生産体制の戦略的再編に5年間で2500億円を投資すると発表した。平時の設備投資に加えて、2024年3月期(2023年度)から電動車の生産にかかわる投資を本格化する。EV(電気自動車)への移行期に対応し、他のパワートレインの車両も生産できる柔軟な生産体制を構築するとともに、高効率な生産によってEVの事業性を向上させる。
SUBARU(スバル)は2022年5月12日、国内の生産体制の戦略的再編に5年間で2500億円を投資すると発表した。平時の設備投資に加えて、2024年3月期(2023年度)から電動車の生産にかかわる投資を本格化する。EV(電気自動車)への移行期に対応し、他のパワートレインの車両も生産できる柔軟な生産体制を構築するとともに、高効率な生産によってEVの事業性を向上させる。
2025年ごろから、EVの自社生産と、HEV(e-BOXER)の次世代モデルの投入を開始する計画だ。HEVはTHSを採用する。当初はEVとガソリン車の混流生産とし、2027年以降にEV専用の生産ラインを追加で設けることを検討している。次世代e-BOXERの生産は、本工場(群馬県太田市)と現行のe-BOXERを生産する矢島工場(群馬県太田市)で行い、EVとガソリン車の混流生産ラインは矢島工場に導入する。EV専用の生産ラインは、現在エンジンやトランスミッションを生産している大泉工場(群馬県大泉町)への設置を予定している。北本工場(埼玉県北本市)では次世代e-BOXERのトランスミッションを2020年代中盤から生産する。
2020年代中盤以降に生産するEVは日本国内向けだけでなく、輸出も視野に入れている。日本の生産体制を再編した次のステップとして、米国の生産体制の電動車対応も検討する。他社のEVの受託生産を行うかどうかについては、商品計画に関わるとして回答しなかった。
スバルは2030年にグローバル販売の40%以上をEVとHEVにする計画だ。また、2030年代前半までに、全てのスバル車に電動技術を適用する。次世代e-BOXERは、THSをそのまま載せるのではなく、FF(前輪駆動)向けで横置きのTHSを縦置き化する計画だ。さらに、スバル独自のシンメトリカルAWDシステムと組み合わせる。カップリング機構を介して直結しており、タイヤの挙動を機械的に把握しやすいAWDの強みを生かし、凍結路面でも安全に回生ブレーキを動作させ、FFのHEVよりも30%高い回生エネルギー効率を実現する。
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