トヨタとスバルがEV専用プラットフォームを共同開発、まずはCセグSUVを製品化:電気自動車
トヨタ自動車とSUBARU(スバル)は2019年6月6日、電気自動車(EV)の専用プラットフォームとEVの共同開発について合意したと発表した。中大型乗用車向けのプラットフォームと、CセグメントのSUVタイプのEVを開発し、車両は両社のブランドで販売する。スバルはこれまでEVを独自開発する方針だったが、今回の合意を受けて共同開発にシフトする。技術、開発、調達などの面で効率化を図る。
トヨタ自動車とSUBARU(スバル)は2019年6月6日、電気自動車(EV)の専用プラットフォームとEVの共同開発について合意したと発表した。中大型乗用車向けのプラットフォームと、CセグメントのSUVタイプのEVを開発し、車両は両社のブランドで販売する。スバルはこれまでEVを独自開発する方針だったが、今回の合意を受けて共同開発にシフトし、技術や開発、調達などの面で効率化を図る。
スバルの全輪駆動(AWD)技術と、トヨタ自動車の電動化技術を組み合わせ、EVならではの魅力ある商品づくりを目指す。開発するEV専用プラットフォームは、C、DセグメントのセダンやSUVなど複数車種に応用するとともに、効率的な派生車種の開発にも対応させる。EVの基本構想はマツダやデンソーと立ち上げたEV C.A. Spiritで技術開発を進めているが、スバルはEV C.A. Spiritにも参加していた。
トヨタ自動車は、2030年に販売台数の50%を電動車でカバーする目標だ。電動車合計で550万台のうち、EVと燃料電池車で100万台を見込む。残りの450万台はハイブリッド車(HV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)だ。その手始めに中国とインドで2020年にEVを投入する計画だ。インド向けのEVはスズキと協力する。中国向けには既に「C-HR」ベースのEVを披露した。2020年代前半にはグローバルで10車種以上のEVを展開するとしている。
トヨタ自動車が電動化のコア技術と位置付けるのは、HVの基幹部品だ。トヨタ自動車が保有する特許実施権は2030年末まで無償で公開し、製品化に向けた適合開発などの技術サポートも提供する考えだ。スバルはこれまでにもトヨタの電動化技術の知見を活用してきた。2018年に米国で販売を開始したPHV「クロストレックハイブリッド」がその例だ。
EVの重要部品である駆動用バッテリーは、パナソニックとトヨタ自動車で立ち上げた共同出資会社が開発、生産を一手に引き受ける。両社から車載用角形リチウムイオン電池の工場や開発部門、設備、人員を切り出し、一体化する。開発したバッテリーはパナソニックを通じてトヨタ自動車以外の自動車メーカーにも売り込んでいく。
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