「国産マスク」にかつてない注目、COVID-19による混乱の影で進むスマート工場化:FA 年間ランキング2020(1/2 ページ)
2020年に公開したMONOist FAフォーラムの記事をランキング形式で振り返ります。公開記事の1年間分のデータを集計した上位記事とそこから見えるFA業界の状況について紹介します。2020年のランキングは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を色濃く受けたものとなりました。
MONOistではフォーラムごとに1年間分のデータを集計した上位記事とそこから見える各業界の動向について紹介する「MONOist年間ランキング」を年末恒例企画として掲載しています。
さて、既に掲載されている「組み込み開発」「製造マネジメント」「メカ設計」の記事ランキングと同様、2020年の「FAフォーラム」の記事ランキングも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を色濃く受けた結果となりました。
製造技術や自動化技術、スマートファクトリー、工場の動向などの話題を取り上げるFAフォーラムですが、2020年に公開した記事の中での年間PV(ページビュー)トップ10は、7つがCOVID-19関連での工場の稼働状況やマスクの生産の状況などの記事となりました。それではあらためて上位記事と、FA業界のトピックについてピックアップして紹介していきます。
MONOistFA2020年記事ランキングトップ10(2020年公開記事)
- アイリスオーヤマがマスク国内生産をさらに増強、不織布も生産し月2.3億枚へ
- 新型コロナ対策でシャープがマスク生産開始、増産10社の合計は月4500万枚以上に
- 新型コロナで日産ホンダスズキも国内工場を停止、ソニーとルネサスは海外で影響
- アイリスオーヤマがマスクの国内生産開始、月6000万枚の増産で1億4000万枚体制へ
- トヨタ高岡工場が新型コロナの二次感染でライン停止、富士通小山工場でも感染者
- IHIといすゞ、村田製作所の工場従業員が新型コロナに感染、操業停止が相次ぐ
- いまさら聞けない「エッジコンピューティング」
- 東レが国内向けマスク用不織布を増産、5000万枚分を増やし月8000万枚体制へ
- “標高10mのIoT”を「新たなモノづくりの土台」へ、変革進めるオムロンの挑戦
- 世界で最も先進的な工場として日本から初認定、日立大みか事業所など3工場
「国産マスク」にかつてない注目が
2020年に公開されたFAフォーラム記事の中で、最も読まれたのはアイリスオーヤマのマスク製造の話題を取り上げた「アイリスオーヤマがマスク国内生産をさらに増強、不織布も生産し月2.3億枚へ」となりました。アイリスオーヤマのマスク製造では、国内生産開始を発表した「アイリスオーヤマがマスクの国内生産開始、月6000万枚の増産で1億4000万枚体制へ」も4位にランクインしています。COVID-19の影響でマスクが手放せなくなる中、マスク不足の状況に陥った一方で転売や粗悪品などの問題が顕在化しました。この状況でいち早く大規模な国内生産を開始し、その後も増強を続けたアイリスオーヤマの動きに多くの人が関心を持ったことが伺えます。
実は第2位も同じ「国産マスク」の話題でした。門外漢だったシャープがマスク製造に参入した「新型コロナ対策でシャープがマスク生産開始、増産10社の合計は月4500万枚以上に」です。抽選での募集が数百倍という人気を続けるなど、こちらもマスク不足を支援する動きに注目が集まりました。
ちなみに8位も「国産マスク」に関する話題となっています。東レがマスク向け不織布の国内向け生産を増強することを伝えた「東レが国内向けマスク用不織布を増産、5000万枚分を増やし月8000万枚体制へ」が入りました。こうしてみると「マスク」の供給にこれほどまでに注目が集まった1年はなかったのではないでしょうか。また、振り返ってみて特に「国産」への期待が非常に高いということにあらためて気付かされました。この「国産化」の動きは、日本政府の要請や補助金などの支援の動きも大きな役割を果たしており、ある意味で産官連携がうまく機能した成果だといえるかもしれません。
ワクチン開発が急ピッチで進んでいるとはいえ、COVID-19の終息まではしばらく時間がかかることが予想されます。マスク着用が常態化する中、マスクの必要性は高い状況が続きます。2021年以降もマスク生産にはしばらく注目が集まりそうです。
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