COVID-19で相次いだ工場停止、一方で企業のDXや構造改革を強力に後押し?:製造マネジメント 年間ランキング2020(1/2 ページ)
2020年に公開したMONOist 製造マネジメントフォーラムの記事をランキング形式で振り返ります。公開記事の1年間分のデータを集計した上位10位の記事を見てみると、2020年はやはり新型コロナウイルス感染症に関する話題が目立ちました。
2020年も製造マネジメントカテゴリーは製造業の皆さまに、製造業各社の経営方針やモノづくりの管理手法、そのためのIT利活用に関わる最新のニュースや解説記事をお届けしてきました。中でも、読者が最も大きな関心を寄せたトピックスはというと、間違いなく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連したものだといえるでしょう。
2020年2〜3月にかけて世界のモノづくりの中心である中国をはじめ海外での感染が拡大し都市封鎖などが行われ、業種を問わず工場の閉鎖や一時停止が相次ぎ、業界全体のサプライチェーンが全体的に大きく混乱しました。国内でも4月に政府から緊急事態宣言が発令され工場などの操業が中止されました。
一方で、コロナ禍でのこうした出来事は、各種ITシステムやIoT(モノのインターネット)ソリューションを積極的に活用したスマート工場化や、企業全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を強く後押しする要因になったといわれています。DXの取り組みは主として大企業が中心で、業界全体にどの程度広がるかは不透明ですが、少なくとも、2021年以降も「After/Withコロナ」は製造マネジメントフォーラムの大きなトピックスになるかと思います。
さて、ここからは2020年のMONOist製造マネジメントフォーラムで公開した記事のPV(ページビュー)ランキング上位記事を順にご紹介していきます!
MONOist 製造マネジメントフォーラム記事ランキング(2020年公開分)
- 新型コロナは「影響あり」が3分の2、収束時期は「半年から1年」を見込む
- 日本製鉄が4900億円の損失計上で高炉を追加休止、経営刷新に向けDX推進部も新設
- トヨタ東芝村田TDKの工場従業員が新型コロナに感染、スバルは操業停止を前倒し
- ラズパイで設備稼働情報を「見える化」するための5ステップ
- ラズパイとカメラと100均の組み合わせで機械工具の在庫を可視化する
- 自動車業界と物流業界の経済的損失が深刻化か、新型コロナの影響予測レポート
- 「タイヤを売るだけでは生きていけない」ブリヂストンが抱える“強烈な危機感”
- 東芝の新型コロナ対応は夏の五輪休暇を前倒し、4月20日から国内全拠点で休業へ
- 「DX銘柄」35社と「DX注目企業」21社を発表、グランプリはコマツとトラスコ中山
- 日立は新型コロナで売上高1兆円減も利益確保、東原社長「10年間の改革の成果」
1位:新型コロナは「影響あり」が3分の2、収束時期は「半年から1年」
2020年で最も多く読まれた記事は、読者アンケート調査を基にした「新型コロナは『影響あり』が3分の2、収束時期は『半年から1年』を見込む」となりました。同アンケートは2020年3月16〜25日にMONOistとEE Times Japan、EDN Japanなどアイティメディアの製造業向けメディア3媒体が実施し、217件の有効回答を得ました。ご協力いただいた読者の方々に改めて感謝申し上げます。
同調査は政府による緊急事態宣言発令前の段階で集計したものではありましたが、事業に「影響が出ている」とした回答が66.7%と回答者全体の約3分の2を占める結果となりました。部門別に見ると、53.7%が「部材調達」で影響が出ていると回答しており、サプライチェーン停滞によって部材供給が滞っていた様子が分かります。
COVID-19に対する企業の対応として、自社イベントやセミナーの中止、延期や、テレワークを導入する動きも急速に広まりました。現在はビデオ会議システムを用いたリモートワークは広く世の中に定着しつつありますが、当時は多くの関係者が大きな戸惑いと不安を覚えながら、試行錯誤で取り組みを進めていたと記憶しています。
なお、MONOistでは同年6月に第2回調査結果を、同年9月に第3回調査結果を発表しています。第2、3回ではコロナ禍の影響が1年以上続くという見通しの回答が増えた他、営業や製造部門、物流部門にまで影響が出ているという回答も増加しました。また、コロナ禍の悩みとして、テレワークによる部門内でのコミュニケーション減などを挙げる回答者も目立ちました。
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