新型コロナは「影響あり」が3分の2、収束時期は「半年から1年」を見込む:MONOist/EE Times Japan/EDN Japan読者調査(1/2 ページ)
MONOist、EE Times Japan、EDN Japanのアイティメディア製造業向け3媒体は「新型コロナウイルス感染症のモノづくりへの影響に関するアンケート調査」を実施した。調査期間は2020年3月16〜25日で、有効回答数は217件。本稿では、その内容について紹介する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で影響を受ける製造業は65%――。MONOist、EE Times Japan、EDN Japanのアイティメディア製造業向け3媒体は「新型コロナウイルス感染症のモノづくりへの影響に関するアンケート調査」を実施した。調査期間は2020年3月16〜25日で、有効回答数は217件。本稿では、その内容について紹介する。
調査概要
「新型コロナウイルス感染症のモノづくりへの影響に関するアンケート調査」は、アイティメディアのモノづくり関連メディアが発行するメールマガジン「モノづくり総合版」「日刊MONOist」「メカ設計」「製造マネジメント」「電子機器設計/組み込み開発」「オートモーティブ」「FA」「医療機器」を通じて実施した。実施期間は2020年3月16〜22日で、製造業のモノづくり技術者を中心に217有効回答を得た。
回答者の主な職種は、「研究・開発」が27.2%、「設計・解析」が25.3%、「製造・生産技術」が13.4%、「経営・経営企画」が11.5%、「営業・販売」が6.9%、「品質保証・管理」が4.6%となっている。製造業内の業種では「産業用・事務用機器」が20.7%、「電気機器」が14.3%、「自動車・輸送用機器」が13.8%、「電子部品、デバイス、電子回路」が13.4%、「製造業(その他)」が22.1%となっている。従業員規模は「5000人以上」が21.2%、「5000人未満1000人以上」が20.3%、「1000人未満100人以上」が33.2%、「100人未満」が25.3%であった。
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既に「甚大な影響が出ている」は14.8%
「新型コロナウイルスのモノづくりへの現在の影響」については、「軽微な影響が出ている」とした回答が51.9%を占め、最も多かった。「甚大な影響が出ている」は14.8%で、「影響が出ている」とした回答の合計は66.7%となり、約3分の2が既に影響を受けているという結果となった。その他の回答でも「現在影響はなく当面影響は出ないと考えている」とした回答者は6.7%で、「分からない」とした4.8%を除いても、88.5%がこれから1年以内に何らかの影響を受けると捉えていることが分かる。
影響は「部材調達」「営業・販売」「製造」がトップ3
「影響が出ている」とした回答者に具体的に影響を受けている部門を聞いたところ、「部材調達」が53.7%占めて最多となった。「製造」(36.8%)「物流」(30.1%)も高比率となった。中国など地域閉鎖の影響からサプライチェーンが停滞し、影響が色濃く出ていることが分かる。実際に、全世界で工場を止める動きなども目立ってきており、今後もさらに影響が広がることが予想できる。
また2位となったのは「営業・販売」で、42.6%占めている。これはサプライチェーンの停滞によるモノの供給面で影響を受けた他、欧米など先進国で感染が広がり、販売先の需要減少などの影響が生まれてきた点や、面談や展示会など営業活動そのものが制限されてしまう点などの要素が考えられる。ただ今後は景気後退局面が生まれつつある点も、さらに重くのしかかってきそうだ。
さらに「影響が出ている」とした回答者に影響の度合いを聞くと、通常時を100とした場合の感触として「75〜100」とした回答が50.7%で最も多くを占めた。その次に多かったのが「50〜75」で30.1%となっている。半減ほどではないが減少傾向にあるというのが多くの感触のようだ。
回答者の中には「30以下」とした層も8%を占めた。このマイナスの影響度の大きな業種や職種の傾向も確認してみたが、製造関連業の中でも「卸売・小売業」や「サービス業」などがやや多く、回答者の多くが「営業・販売」への影響を挙げていることから、封鎖などの影響が「販売」に直撃したということが考えられる。
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