アイリスオーヤマがマスクの国内生産開始、月6000万枚の増産で1億4000万枚体制へ:工場ニュース
アイリスオーヤマは2020年3月31日、不織布マスクの国内生産を開始すると発表した。以前から行う中国での生産に加え、宮城県角田市の角田工場を改修しマスク生産を行う。
アイリスオーヤマは2020年3月31日、不織布マスクの国内生産を開始すると発表した。以前から行う中国での生産に加え、国内工場を改修しマスク生産を行う。
アイリスオーヤマでは以前から中国の大連工場と蘇州工場の2拠点で不織布マスクを生産。新型コロナウイルス感染症によりマスクの品薄状態が続いていることから、24時間フル稼働し月8000万枚を日本国内に供給してきた。しかし、海外生産のリスクが増加してきた他、国内のマスクの品不足が長期化する見込みとなってきたことから、新たに宮城県角田市の角田工場の一部を改修してマスクを生産することを決めた。
新工場では月に6000万枚のマスクを生産し、中国での生産分と合わせて月1億4000万枚を国内に提供できる体制を整えた。設備投資額は約10億円で、新たな工場設備の稼働時期は2020年6月を予定している。
マスクの増産企業は続々増加
アイリスオーヤマのこれらの取り組みは日本政府の要請に応じたものだという。日本政府はマスクの製造を促進するため「マスク生産設備導入支援事業費補助金」を用意し公募を行っている。同制度ではマスクに関連する製造ラインの増設や新設に対し、中小企業で最大4分の3、中小企業者以外では最大で3分の2の補助が得られるという。
既に同制度を利用し、3月末までに興和、Xins、ハタ工業、アレグロニット工業、シャープ、白鳩、北陸ウェブ、明星産商、meteco、ロキテクノの10社(グループ)が月で4566万7500枚のマスク増産を実施している。さらに2020年3月27日には、ショウワ、マルエーニット、レッグニットクリスが同制度を活用し増産することを発表。3社の増産分は257万1000枚となる。
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