いまさら聞けない「エッジコンピューティング」:5分で読める簡単解説(1/2 ページ)
IoT活用やCPS進展の中で、あらためて脚光を浴びている「エッジコンピューティング」。このエッジコンピューティングはどういうことで、製造業にとってどういう意味があるのかを5分で分かるように簡単に分かりやすく説明します。
IoT(モノのインターネット)活用やCPS(サイバーフィジカルシステム)進展の中で、あらためて脚光を浴びている「エッジコンピューティング」。このエッジコンピューティングはどういうことで、製造業にとってどういう意味があるのかを5分で分かるように簡単に分かりやすく説明します。
エッジコンピューティングとは
「エッジコンピューティング」とは、その名の通り「エッジ」で使うコンピューティングデバイスもしくはコンピューティングパワーを使った処理を意味します。「エッジ」は「端や縁、刃物の刃、鋭さ、優位性」などの意味を持ちますが、ここでいう「エッジ」とは「データの収集、活用における端の部分」を意味します。データの発生源および活用の場に近いところという意味です。製造業でいえば「現場=エッジ」と考えると分かりやすいと思います。つまり、平たくいうと、それぞれの現場に情報処理端末を設置し、その場ごとに“自律分散型”で情報処理を行う仕組みを意味します。
対義となるのが「クラウドコンピューティング(クラウド)」です。データをデータセンターによるクラウド環境のサーバに集約し、そのコンピューティングリソースを使ってさまざまな情報処理をするという考え方です。全ての情報をクラウド環境に集める“中央集権型”の情報処理を行う仕組みだといえます。
そもそもですが以前から存在したコンピュータに、あえて「エッジ」が付けられるようになったのは、クラウドコンピューティングが登場したということが背景としてあります。クラウドコンピューティングが普及し「全ての情報はクラウド環境に集約される」というクラウドへのムーブメントが起きました。しかし、通信環境などに大きく左右されるクラウドだけでは「不便なことが実はかなり多い」ということに多くの企業が気付き、その隙間を埋めるものとしてエッジ側で必要な情報を処理する「エッジコンピューティング」という概念が生まれました。
加えて、ここまで「エッジコンピューティング」が注目されるようになったのはIoTの普及が広がったということがあります。従来コンピュータが活用されてきたオフィス環境ではなく、その先のさまざまな業務の現場でデータを自動で取得できるようになり、それを活用することができるようになりました。そこで、より現場に近いところで情報を活用するサイクルを回すことができるようになり「エッジ」の「コンピューティング」に注目が集まるようになったのです。
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