トヨタ高岡工場が新型コロナの二次感染でライン停止、富士通小山工場でも感染者:工場ニュース
2020年3月20〜23日にかけて、トヨタ自動車と富士通の国内工場の従業員に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が確認された。トヨタ自動車の高岡工場については、二次感染が確認されたため生産ラインの稼働停止に踏み切っている。
2020年3月20〜23日にかけて、トヨタ自動車と富士通の国内工場の従業員に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が確認された。トヨタ自動車の高岡工場(愛知県豊田市)については、二次感染が確認されたため生産ラインの稼働停止に踏み切っている。
自宅待機中の濃厚接触者から二次感染を確認
トヨタ自動車は2020年3月20日、高岡工場の製造系職場に勤務している20代男性従業員の1人がCOVID-19に感染していることを確認したと発表。同年3月22日には、同従業員の濃厚接触者11人のうち1人もCOVID-19に感染していたことを明らかにした。二次感染の発生を受け、高岡工場は2人の従業員が勤めていた建屋全体を3月23〜25日の3日間封鎖するとともに、同工場の第1ラインの生産稼働を停止した。
1人目の感染者は、3月14日に発熱した後、週明けの3月16日から休んでいたが、発熱が続いたため、3月19日にウイルス検査を実施しCOVID-19の陽性反応が出たという。これを受けて、職場における行動履歴を確認して11人の濃厚接触者を特定し、最終接触日から14日間の自宅待機の指示を出した。勤務先の職場については、3月19日時点で消毒作業を実施し、稼働を再開していた。
しかし、11人の濃厚接触者のうち、最初の感染者と同じラインの対面工程で作業していた従業員の1人について3月21日にウイルス検査を実施したところ陽性反応が出た。これにより、2番目の感染者の濃厚接触者5人に加えて17人に自宅待機を指示した。自宅待機者は合計で33人となっている。
高岡工場は「RAV4」や「ハリアー」などの完成車両を生産している。
海外渡航から戻った後に感染が判明、工場は消毒後に稼働を再開
富士通は2020年3月23日、同社の製造拠点である小山工場(栃木県小山市城)において、同社グループ会社の従業員1人のCOVID-19の感染を確認したと発表した。同従業員は3月20日から、所管保健所の指導のもとで感染症指定医療機関に入院している。
同従業員は3月7〜15日の期間で海外渡航歴があり、3月16日の15時ごろから悪寒があったため、同社は定期的な検温と3月17日以降の自宅待機を指示していた。その後3月18日に発熱が確認され、所管保健所の指導のもとでPCR検査を行った結果、3月20日に感染が確認された。
所管保健所からは、同従業員の職場の同僚については健康観察という指導を受けているが、在宅テレワークや各種休暇取得などを指示しているという。また、同従業員が勤務していた建屋の消毒を3月19日に自主的に行った後、3月21日にも所管保健所の指導のもとで再度消毒を実施している。これらの対応ののち、小山工場は通常通りの稼働を再開した。
小山工場は、富士通テレコムネットワークスが手掛ける情報通信機器などの製造拠点として知られている。
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