熊本地震で自動車関連の工場が被災、トヨタグループは九州以外でも稼働停止に:工場ニュース
2016年4月14日夜に熊本県で震度7を観測した一連の地震によって、自動車メーカーの国内生産が影響を受けている。ホンダの熊本製作所は相次ぐ余震によって設備の被害の全容が確認できない状況が続いている。トヨタ自動車、日野自動車、ダイハツ工業は九州のサプライヤの部品供給が滞っていることによって九州以外の生産の拠点も稼働を停止する。
2016年4月14日夜に熊本県で震度7を観測した一連の地震によって、自動車メーカーの国内生産が影響を受けている。ホンダの熊本製作所は相次ぐ余震によって設備の被害の全容が確認できない状況が続いている。トヨタ自動車、日野自動車、ダイハツ工業は九州のサプライヤの部品供給が滞っていることによって九州以外の生産の拠点も稼働を停止する。
九州の拠点への影響
トヨタ自動車は2016年4月17日時点で、レクサス車などを生産するトヨタ自動車九州の宮田工場第1、第2(福岡県宮若市)の稼働を18日から23日まで停止する予定だ。
ダイハツ工業は4月18日、ダイハツ九州で軽自動車などの組み立てを担う大分(中津)工場(大分県中津市)と軽自動車向けエンジンを生産する久留米工場(福岡県久留米市)の稼働を停止すると発表した。
ホンダは4月15日、二輪や汎用製品を生産する熊本製作所(熊本県菊池郡大津町)の建屋内に余震で入れない状況のため生産を中止しており、18〜22日の稼働も停止する。設備の被害状況は18日現在も全て確認しきれておらず、場合によっては23日以降も稼働できない可能性がある。
九州以外にも波及
アイシン九州およびアイシン九州キャスティングから供給される部品が不足していることから、トヨタ自動車は九州以外に立地する生産拠点も稼働を停止すると発表した。アイシン九州とアイシン九州キャスティングは熊本県熊本市に工場があり、ドアチェックなどの内装部品やドアフレームなどの外装部品、エンジンのダイキャスト部品などを生産している。
2016年4月19日から23日まで、高岡工場(第1、第2)、堤工場(第1、第2)、田原工場(第1)、元町工場(LFA工房)、トヨタ車体(いなべ第1/第2、富士松第1、吉原第1/第2)、トヨタ自動車東日本(東富士)、豊田自動織機(301、302)が稼働停止となる。
また、2016年4月19日から23日まではトヨタ車体(富士松第2)、岐阜車体、日野自動車(羽村第1)といった車体メーカーが、20日から23日まで元町工場(第1)、田原工場(第3)、日野自動車(羽村第2)とダイハツ工業(京都)も生産を停止する。22日から23日までは、トヨタ自動車東日本(岩手第1/第2、宮城大衡)も稼働停止となる。
ダイハツ工業の京都工場では軽自動車の「ムーヴ」(富士重工業「ステラ」)の他、トヨタ自動車の「プロボックス」「サクシード」を受託生産している。また、日野自動車の羽村工場では、トヨタ自動車向けにSUVの「ランドクルーザー プラド」「FJクルーザー」、小型トラックの「ダイナ」を供給している。ダイハツ工業は九州のサプライヤの被災が、日野自動車はアイシン九州が生産するドア部品の不足が影響したため生産を停止する。
福岡県京都郡苅田町に立地する日産自動車九州は、2016年4月16日に安全確認を行い、18日から通常通り稼働している。
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