熊本地震の通行実績情報はなぜ3種類あるのか:車載情報機器(1/2 ページ)
熊本地震のような災害発生時に道路が通れなくなることで、救助車両や救援物資を輸送するトラックなどの移動が妨げられる可能性がある。そこで、トヨタ自動車、ホンダ、ITS Japanからそれぞれ、“通れる道路”の情報である通行実績情報が提供されている。
2016年4月14日に熊本県熊本地方で発生した熊本地震では、熊本県益城町で震度7を記録した。こういった大規模地震のような災害発生時には、崩落や落下物などによって道路が通れなくなることがある。これらの“通れない道路”のことが分からないと、救助車両や救援物資を輸送するトラックなどの移動が妨げられる可能性がある。
そこで、トヨタ自動車、ホンダ、そしてITS(高度道路交通システム)の業界団体であるITS Japanからそれぞれ、“通れる道路”の情報である通行実績情報が提供されている。トヨタ自動車は同社Webサイトの「通れた道マップ」で、ホンダは「Googleクライシスレスポンス災害情報マップ」と「Yahoo!地図」、ホンダのスマートフォンアプリ「インターナビ ポケット」で、そしてITS JapanもWebサイトで通行実績情報を公開している。
なお、トヨタ自動車とホンダの通行実績情報は、両社がそれぞれ独自に展開しているテレマティクスサービス(トヨタ自動車は「G-BOOK/T-Connect」と「G-Link」、ホンダは「インターナビ」)のプローブ情報のみを使用している。
これらに対して、ITS Japanの通行実績情報は、トヨタ自動車とホンダに加えて、日産自動車とカーナビゲーションシステム大手のパイオニアの乗用車プローブ情報、さらに富士通のタクシープローブ情報、いすゞ自動車とUDトラックスのトラックプローブ情報も集約されている。情報量の多さから言えば、ITS Japanの通行実績情報が最も精度が高いといえるだろう。
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