リコールじゃない、性能アップのためのソフトウェアアップデートが始まる:自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)
みなさんおはようございます、土曜日です。1週間、お疲れさまでした。今週は新型車が相次いで発表されましたね。
じっくり読んでいただきたい2本
さて、今週MONOistで公開した記事も紹介したいと思います。全6ページという長さにひるまず読んでいただきたいのが、国土交通省が発表した交通政策白書を読み解いた「日本の交通の動向と新型コロナウイルスが及ぼした影響」です。交通政策白書は、日本の交通の動向や交通に関して講じられた施策について国会へ報告するためにまとめられた資料で、「要旨」でさえかなりのページ数があります。人口や年齢構成に始まり、国内の旅客輸送量、貨物輸送量、COVID-19による公共交通機関の利用状況の変化などについてギュッとまとめました。
市場調査は民間企業も実施していますが、国だからこそできる広範な調査もあると思います。あらためて日本の現状について数字をつかむ上で、お役に立てれば幸いです。
今週はまとめ記事をもう1本掲載しました。「日系乗用車メーカーの自動車生産は各市場で回復、東南アジアは厳しさ続く」です。これは、日系乗用車メーカー8社の2020年度上期(4〜9月)のグローバル生産実績を振り返った記事です。
2020年度上期の数字自体は発表後すぐに報道各社が記事にしており目にした方も多いかもしれませんが、この記事では8社分の生産実績をまとめた表や、地域ごとの分析まで盛り込んでいます。こちらもCOVID-19の影響やその回復状況をつかむ上でお役立てください。
電機メーカーの社内のノウハウを結集!
毛色の違う記事では、三菱電機のLiDARに関する取り組みを聞いた「LiDARの小型化と広視野角の両立へ、三菱電機の社内にそろっていた基盤技術」も公開しています。実は三菱電機は2015年にLiDARを製品化していました。その用途は自動運転車ではなく、風の向きを検知する必要のある空港や風力発電に向けたものでした。この他にも、LiDARに必要で、なおかつ量産の実績がある技術が社内にそろっていたのです。
個人的な考えで恐縮ですが、私は「電機メーカーが社内のノウハウを結集する」というエピソードが大好きです。新卒で記者になってすぐのころに上司から「電機メーカーは社内にたくさんの知見があるから、自動車部品メーカーとして競争力が高いはず」と教わったのもあり、そういった取り組みは応援したくなるのです。以前、パナソニックのコンセプトカーのデザインについて取材したときも、電機メーカーとしての事業の広さを生かしたという話を聞きました。
社内の別の製品をすぐさま車載向けに応用したり、足元のビジネスに直結させたりするのは難しいかもしれませんが、自動車部品を専門にしたサプライヤーにはない強みを、電機メーカーは発揮できるのではないでしょうか。
さて、11月23日月曜日はカレンダー上は祝日です。カレンダー通りにお休みの方も、お仕事の方も、つつがなくお過ごしください。
今週はこんな記事を公開しました
- 新型車ラッシュ!
- 販売への影響広がる
- 交通政策白書2020を読み解く
- 自動車メーカー生産動向
- センシング
- 金属加工技術
- 自動運転時代に備える
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今回取り上げるのは軽自動車の販売トップ3に比べると車高が100mmほど低いホンダ「N-WGN」だ。スーパーハイトワゴンに対してトールワゴンとかハイトワゴンと言われる。筆者はスーパーハイトワゴンほどの車高が必要な場面がそれほどあるとは思えず、ハイトワゴンくらいの車高が妥当かなと感じていた。先代モデルとの比較も含めてレポートしていこう。 - レクサスの安全システムをトヨタ車で民主化、ハード変更せずにコストを抑制
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