EVで増える銅加工を容易に、古河電工がハイブリッドレーザー技術を製品化:金属加工技術(1/2 ページ)
古河電工は2020年11月16日、青色ダイレクトダイオードレーザー(青色DDL)と近赤外(IR)ファイバーレーザーを組み合わせたBlue-IRハイブリッドレーザー「BRACE(ブレイス)」を2021年1月18日に発売すると発表した。
古河電気工業(以下、古河電工)は2020年11月16日、青色ダイレクトダイオードレーザー(青色DDL)と近赤外(IR)ファイバーレーザーを組み合わせたBlue-IRハイブリッドレーザー「BRACE(ブレイス)」を2021年1月18日に発売すると発表した。
銅の加工品質、加工速度を向上
古河電工では2020年6月に日亜化学工業(以下、日亜)と高出力青色レーザーダイオードモジュールを共同開発し、高出力青色レーザー発振器と近赤外レーザーを組み合わせたハイブリッドレーザーによる溶接ソリューションを展開すると発表。今回製品投入する「BRACE」はこのレーザーダイオードモジュールと搭載したレーザー発振器となる。「BRACE」の名前は、「Blue(青色)&InfraRed(近赤外)」の「B」と「R」、「最高のを示す「ACE」、そして「つがい」を示す「BRACE」などの意味を組み合わせて決めたという。
同技術は銅の加工をターゲットとしたもので、電動車におけるモーターやリチウムイオン電池、ハーネスやインバーターなどにおける、バスバー溶接やモーター巻き線溶接、電池箔切断などを対象としている。
銅の溶接をレーザーで行う場合、従来の近赤外ファイバーレーザーでは安定した入熱ができずにブローホールができたり、スパッタが多く出たりするため、加工品質に問題を抱えていた。そこで銅の光吸収率が高い短波長領域の青色レーザーを組み合わせることで、加工能力と加工品質を両立したことが特徴となる。具体的には、青色レーザーによる光吸収率の高さを利用して加工領域周辺にビームを当てて熱を入れ、溶融池を広く作ることで品質面、深度面、速度面で安定した加工を行えるという。
実際に加工特性の比較を行った場合でも、加工表面、加工断面、それぞれで安定した加工品質を実現しているという。
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