ニュース
自動運転車のパンクに備えて、遠隔監視でタイヤ整備店がかけつける実証実験:自動運転技術
住友ゴム工業は2020年11月16日、レベル4の自動運転車のタイヤ空気圧を遠隔監視する実証実験を岐阜県岐阜市内で実施したと発表した。
住友ゴム工業は2020年11月16日、レベル4の自動運転車のタイヤ空気圧を遠隔監視する実証実験を岐阜県岐阜市内で実施したと発表した。ドライバーがいない自動運転車のタイヤ空気圧を監視することで、パンクなどのタイヤトラブルの予知保全や、トラブル発生時の早期対応に貢献する。
住友ゴム工業は、2019年から群馬大学の次世代モビリティ社会実装研究センターとともにタイヤ空気圧の遠隔監視システムの共同研究を行っており、今回の実証実験もその一環だ。
実証実験は11月11〜15日にかけて、岐阜市内の公共交通関連のイベントで実施した。自動運転車に模擬的なパンクを発生させると、タイヤに装着されたTPMS(タイヤ空気圧監視システム)による空気圧データの異常を管制所で検知し、タイヤ整備店に補修に向かうよう自動で要請する。タイヤ整備店がパンクした自動運転車のもとに出動し、タイヤを補修した後で自動運転が復帰するまでの流れを実演した。
タイヤの空気圧不足はパンクの原因の1つであり、燃費や走行性能の低下につながるため定期的なメンテナンスが不可欠だ。自動運転車の普及により運行やメンテナンスの省力化が進むため、タイヤのメンテナンスフリーや空気圧の遠隔監視が求められている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ドライバーがいない完全自動運転車、タイヤの状態は誰が見るのか
住友ゴム工業と群馬大学 次世代モビリティ社会実装研究センター(CRANTS)が共同で研究を進めているレベル4の自動運転車に対応したタイヤ周辺サービスについて説明。2020年内に、住友ゴム工業が大型トラックなどのタイヤ空気圧監視を行うタイヤ周辺サービスを、CRANTSがこれまでの研究成果を基にした自動運転サービスを始める方針を示した。 - 月間2万本のタイヤを試験するブリヂストン、無人自動運転車の導入は必然か
ブリヂストンは、ZMPと共同で、車両を用いたタイヤ性能試験の1つであるタイヤ騒音試験を無人自動運転化するため開発プロジェクトを進めている。現在はSAEが定める自動運転レベル3の段階まで進んでおり、2019年に同レベル4に相当する無人自動運転によるタイヤ騒音試験を実用化したい考えだ。 - 空気不要のタイヤ、時速120kmでの走行が可能に
東洋ゴム工業は、空気の充填(じゅうてん)が不要なタイヤ「noair(ノアイア)」を発表した。エアレスタイヤの開発には2006年から取り組んでおり、今回発表したノアイアはスポークの構造を大幅に変更している。市販タイヤ並みに耐久性や転がり抵抗、車外騒音を改善した。 - 自動運転車のタイヤに求められることとは?
ブリヂストンは、栃木県那須塩原市のブリヂストンプルービンググラウンドで報道陣向けにタイヤ技術の説明/試乗会を実施した。タイヤがセンサーとなって路面の状態を判定する技術「CAIS(カイズ)」を搭載した車両や、次世代低燃費タイヤ「ologic」、運転時の疲労を軽減する「Playz」など、強みとする安全技術を実際に体験する機会を得た。こうした技術は自動運転車向けタイヤの開発にもつながっていきそうだ。 - 「タイヤを売るだけでは生きていけない」ブリヂストンが抱える“強烈な危機感”
ブリヂストンは2020年7月8日、第3の創業(Bridgestone 3.0)として2020〜2030年を対象とした中長期事業戦略構想を発表した。タイヤ事業をコアと位置付けつつも、タイヤを取り巻くデータなどを活用したソリューション事業に大きく舵を切る方針を示した。 - ベンチャーの駆動系にエアレスタイヤ、3Dプリントシャシー、未来のトラックの形は
日野自動車はモビリティプラットフォーム「Flat Former(フラットフォーマー)」を「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)で披露した。現時点では実際に動く車両ではないが、将来的に実現可能性の高い技術を取り入れて未来のトラックの形を示した。