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自動運転車のタイヤに求められることとは?タイヤ技術(1/2 ページ)

ブリヂストンは、栃木県那須塩原市のブリヂストンプルービンググラウンドで報道陣向けにタイヤ技術の説明/試乗会を実施した。タイヤがセンサーとなって路面の状態を判定する技術「CAIS(カイズ)」を搭載した車両や、次世代低燃費タイヤ「ologic」、運転時の疲労を軽減する「Playz」など、強みとする安全技術を実際に体験する機会を得た。こうした技術は自動運転車向けタイヤの開発にもつながっていきそうだ。

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 ブリヂストンは2016年4月9日、栃木県那須塩原市のブリヂストンプルービンググラウンドで報道陣向けにタイヤ技術の説明/試乗会を実施した。タイヤがセンサーとなって路面の状態を判定する技術「CAIS(カイズ)」を搭載した車両や、BMWの電気自動車「i3」に採用された次世代低燃費タイヤ「ologic(オロジック)」、運転時の疲労を軽減する乗用車用タイヤ「Playz(プレイズ)」など、ブリヂストンが強みとする安全技術を実際に体験する機会を得た。こうした技術は自動運転車向けタイヤの開発にもつながっていきそうだ。

タイヤがセンサーになる

タイヤがセンサーとなって路面状態を判定する
タイヤがセンサーとなって路面状態を判定する (クリックして拡大)

 2015年冬から、北海道の高速道路で管理作業にCAISが使われ始めた。路面状態を、乾燥/半湿/湿潤/シャーベット/積雪/圧雪/凍結の7種類で判定することにより、雪が積もった区間に除雪車を出動させ、湿潤で凍結の恐れがある範囲で凍結防止剤を散布するなど冬季の道路管理を効率化する狙いがある。路面状態を目視するのが難しい夜間でも路面の状況を把握できるのが利点となる。ブリヂストンはネクスコ・エンジニアリング北海道と2011年からCAISの実用化に向けて試験を進めてきた。

タイヤの内側にセンサーと発電機が貼り付けられているセンサーで検知した加速度は荷室に搭載したコンピュータで分析する タイヤの内側にセンサーと発電機が貼り付けられている(左)。センサーで検知した加速度などの情報は荷室に搭載したコンピュータで分析する(右) (クリックして拡大)

 CAISは、加速度や内圧、温度を測定するセンサーをタイヤ踏面の内側に装着している。走行中、センサーを装着した部位が地面に接してから離れるまでの間で加速度が急激に変化するのを利用して路面状態を推定する仕組みだ。ブリヂストンは路面の水膜に触れた時や凍結路面で滑った時など、路面の状態によってそれぞれ特徴的な加速度波形になることを特定。センサーが検知した加速度の微妙な変化から、路面状態を判定する。

 当日は、北海道の高速道路で使っているのと同じ車両を公開した。CAISを搭載したタイヤは右側の前輪のみ。また、CAISのみでは半湿状態を判定できないため、右側の後輪近くにマイクを設置し、タイヤが水をはね上げるわずかな音があるかどうかによって路面状態を推定している。

内部にセンサーがあるだけで、一見何の変哲もないタイヤ後輪には水をはね上げる音を検出するマイクを装着 内部にセンサーがあるだけで、一見何の変哲もないタイヤ(左)。後輪には水をはね上げる音を検出するマイクを装着(右) (クリックして拡大)

 センサー本体の作動や、センサーの検知結果を荷室に搭載した判別装置に無線通信で送信するため、タイヤ内には発電機も組み込まれている。発電機はタイヤの回転を利用して発電するもので、時速50km以上になると作動する。

 当日は、乾いた路面から水深2mmの湿潤状態の専用コースに進入してCAISの判定を試した。湿潤状態の路面に進入して1〜2秒でCAISの画面表示がドライからウェットに切り替わった。

未判定ウェットドライ 時速50km以下では未判定となる(左)。加速度の波形でウェット/ドライを判定している(中央、右) (クリックして拡大)

 ネクスコ東日本の北海道支社が管轄する高速道路では、CAISで判定した路面状況をセンターに集めて作業車に配信し、リアルタイムに除雪や凍結防止剤の散布の要不要を判断できるようにしているという。

 北海道は道路管理上は5月まで冬季期間となるため、CAISはまだ運用中だ。「導入した結果を取りまとめられるのは夏ごろになる」(ネクスコ・エンジニアリング北海道)としている。

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