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国産有機ELパネルはこれからも茨の道、トヨタは「生きるか死ぬか」の体制変更製造マネジメント 年間ランキング2017(1/2 ページ)

2017年に公開したMONOist製造マネジメントフォーラムの記事をランキング形式で振り返る。1位には、JOLEDによる印刷式有機ELパネルの初サンプル出荷、2位にはトヨタ自動車のさらなる体制変更に関する記事が入った。

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 「2017年はまさにIoT(モノのインターネット)元年ともいえるような1年だった」(JEITA 会長でパナソニック 会長を務める長榮周作氏)。この言葉からも分かるように、2017年の製造業にとってIoTへの取り組みは、“知る・学ぶ”段階から“使う・活用する”段階に入ったといえるでしょう。

 MONOistが主催する製造業×IoTをテーマとしたセミナー「MONOist IoT Forum」のシリーズ開催も2年目となりました。12月4日に開催した東京に引き続き、大阪でも2018年1月24日に開催します(申し込みはこちら!)。

 そんな2017年、MONOistの製造マネジメントフォーラムで多く読まれたのは、一体どんな記事だったのでしょうか。2017年に公開した記事のランキング(読まれた回数)ベスト3とトップ10、そして(編集担当が)興味深かった記事を幾つか紹介したいと思います。

待望の国産印刷式有機ELパネルが出荷

JOLEDの有機ELパネル
JOLEDの有機ELパネル(クリックで拡大)

 第1位に輝いたのは、「日本発の印刷式有機ELパネルがついに開花、JOLEDがサンプル出荷開始」でした。

 ジャパンディスプレイの子会社として、2015年1月の設立から印刷型有機ELパネルの開発を続けてきたJOLEDですが、この発表でやっと陽の目を見ることができました。「CeBIT 2017」のジャパン・パビリオンで披露した医療画像表示向けの21.6インチパネル(関連記事:日本の有機ELここにあり、JOLEDが試作パネルを一挙展示)が初のサンプル出荷品で、2017年12月にはソニーの医療用モニター向けに量産出荷を始めています(関連記事:悲願の製品出荷、印刷方式有機ELパネルがソニーの医療用モニターに採用)。

 2000年代前半、国内電機メーカー各社が有機EL技術の開発を競っていたころに取材していたこともあり、「国産有機ELパネル」という言葉には少し思い入れがあります。しかし、韓国メーカーと中国メーカーによる現在の激しい有機ELパネル市場競争に、JOLEDの印刷式が分け入っていくことは容易ではありません(関連記事:国産有機ELディスプレイ、それはうたかたの夢か)。2018年は、JOLEDにとって勝負の1年になるのではないでしょうか。

2016年度通期決算発表に臨む豊田章男氏
2016年度通期決算発表に臨む豊田章男氏

 第2位は、トヨタ自動車が2018年1月1日付で行う役員体制の変更と組織改正を発表した『トヨタがさらなる体制変更、「生きるか死ぬか」という瀬戸際の戦いに臨む』が入りました。

 2016年4月にカンパニー制を導入したトヨタ自動車ですが、手を緩めることなくさらなる体制変更に踏み切ります。同社社長の豊田章男氏は「自動車業界は100年に一度の大変革の時代に入った。次の100年も自動車メーカーがモビリティ社会の主役を張れる保障はどこにもない。『勝つか負けるか』ではなく、まさに『生きるか死ぬか』という瀬戸際の戦いが始まっている」と述べており、トヨタグループの持てる力を結集していく考えです。

 国内最大の製造業のトップが「生きるか死ぬか」と言っている事態を生み出しているのは、IoTやAI(人工知能)に代表されるデジタル革新です。トヨタ自動車の体制変更を見ると、これらのデジタル革新を自社にどう役立てられるのか、どれだけもうけを生み出せるのかを機敏に判断できる体制を作ることがどれほど重要なのかを気付かされます。

パナソニックは「自動運転EVコミューター」も開発している
パナソニックは「自動運転EVコミューター」も開発している(クリックで拡大)

 第3位は、「パナソニックの車載事業が世界トップ10入りへ、2021年度に売上高2.5兆円」が入りました。

 パナソニック 社長の津賀一宏氏は2013年3月に発表した中期計画で、車載事業の売上高目標として2018年度で2兆円という数字を掲げています(関連記事:パナソニックが自動車分野の売上高を2兆円へ、「デンソー、ボッシュに並ぶ」)。この目標は有言実行となり、2018年度は売上高2兆円の達成がほぼ確実になっています。さらに、2021年度には売上高2兆5000億円を目指し、自動車部品メーカートップ10入りに挑戦するとのことです。

 パナソニックの車載事業といえば、カーナビゲーションシステム、カーオーディオのイメージが強いかもしれません。しかし現在は、テスラ(Tesla Motors)向けを筆頭に車載電池事業の成長が著しく、直近ではトヨタ自動車との車載電池に関する提携検討も発表しています(関連記事:車載用“角形”電池でもトップに、パナソニックがトヨタの電池パートナーに名乗り)。ADAS(先進運転支援システム)関連の技術開発にも注力しており(関連記事:世界トップ10入り目指すパナソニックの車載事業、開発体制は全社横断で)、自動車部品メーカートップ10入りに向けた準備は着々と進んでいるようです。

 第4〜10位については、以下のランキング表から記事内容を確認していただければと思います。

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