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世界トップ10入り目指すパナソニックの車載事業、開発体制は全社横断で製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

2021年度の売上高2兆5000億円、自動車部品メーカートップ10入りに挑戦するパナソニックの車載事業は、2017年4月から研究開発体制も変更した。旧AVCネットワークス社の技術者が合流し500人体制となったオートモーティブ開発本部により、自動車メーカーなどの顧客に対して、5年先の将来を見据えた先進的なアプローチを進めていく。

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 パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)社は2017年10月10日、2016年6月に開設した佐江戸車両試験場(横浜市都筑区)において会見を開き、オートモーティブ事業の開発体制と取り組みについて説明した。

 同社は車載事業の売上高について、2016年度の1兆3000億円から、2018年度に2兆円、2021年度に2兆5000億円の達成を目指している。この売上高2兆5000億円で「自動車部品メーカートップ10入りに挑戦する」(パナソニック)ことになる。2016〜2018年度の売上高年平均成長率は実に24%に達し、2018〜2021年度も年平均で8%の成長となっている。

パナソニックの車載事業の成長戦略2021年度には売上高2兆5000億円を目指す パナソニックの車載事業の成長戦略(左)。2021年度には売上高2兆5000億円を目指す(右)(クリックで拡大) 出典:パナソニック

 これらの高い目標を達成するには、カンパニーや事業部のみならず研究開発体制も整備する必要がある。そこでAIS社は、2017年4月に車載事業の先端開発を担うオートモーティブ開発本部を発足させた。このオートモーティブ開発本部は、AIS社で車載製品の開発に携わってきた技術者約150人に、旧AVCネットワークス社でAVや通信などデジタル技術を担当していた技術者約350人が加わっており、合計で500人以上の人員が集積されている。

パナソニックの水山正重氏
パナソニックの水山正重氏

 オートモーティブ開発本部の興味深いところは、車載情報機器を扱う「インフォテインメントシステム事業部」、センサーや制御系システムを扱う「車載エレクトロニクス事業部」などの事業部と同格の組織である点だ。パナソニックでは、本社直轄の研究開発部門に当たるイノベーション推進部門、各カンパニーの技術本部、事業部内の技術部門がそれぞれ役割分担する形で研究開発を進めている。オートモーティブ開発本部は、これら3つの技術部門とは異なり、車載関連のコア技術、デジタル家電で培ったコア技術、イノベーション推進部門で扱う先進技術などを横断的に融合し、顧客に先行開発ソリューションとして提案する役割を担っている。

 パナソニック AIS社 オートモーティブ開発本部 本部長の水山正重氏は「車載事業の場合、自動車メーカーを中心とする顧客はそれほど数が多いわけではなく、われわれからも顔がよく見えている。それらの顧客に対しては、5年先の将来を見据えて、AVや通信などの開発で培ったデジタル技術をコアにした先進的なアプローチが必要だ。そのための独立した開発本部が必要になると判断した」と説明する。その一方で、「車載事業の目標達成に向けて旺盛な投資をしてもらっている以上、オートモーティブ開発本部の技術成果は、パナソニックの他カンパニーで扱う民生機器などへの貢献も求められている」(水山氏)という。

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