パナのコネクティッドソリューションズ社が本社を東京に移転「門真発想は限界」:製造マネジメントニュース(1/3 ページ)
パナソニックのコネクティッドソリューションズ(CNS)社の社長に就任した樋口泰行氏が投資家向け説明会に登壇。同社入社以降公の場に姿を見せるのは初となる。樋口氏は「(パナソニックの本社がある)門真発想では限界がある」と語り、顧客が集中する東京に本社を移転する方針を示した。
パナソニックは2017年5月30日、4つのカンパニーの事業方針を投資家向けに説明する「Panasonic IR Day 2017」を開催した。同年4月に、これまでのAVCネットワークス社から改称したコネクティッドソリューションズ(CNS)社については、サプライズ人事で注目を集めたCNS社 社長の樋口泰行氏が説明した。
樋口氏は、1980年にパナソニック(旧松下電器産業)に入社してから12年間を過ごした後、ボストンコンサルティング、アップル、日本ヒューレットパッカード(HP)、ダイエー、日本マイクロソフトに勤務した。日本HP、ダイエー、日本マイクロソフトでは社長を務めたが、2017年4月から25年ぶりにパナソニックに戻ることとなった。いわゆる“出戻り”が少ないパナソニックに、カンパニーのトップ、そして専務役員として登用することもあり、サプライズ人事として注目を集めた。パナソニック入社以降、公の場に姿を見せるのは今回のPanasonic IR Day 2017が初となる。
樋口氏は自身の役割として、B2Bビジネスのしっかりとしたビジョン、変革の方向性を作ること、その方向性に向けて一歩ずつ組織力を構築し、変革を力強く推進することを挙げた。「CNS社が目指すB2Bビジネス、ソリューションビジネスは、何より人を軸としたビジネスだ。だからこそ、組織作りが極めて重要だと考えている。また、戦略策定や組織変更の繰り返しは、いつまでたっても何も変わらないという結果にしかならないので、避けたい」(同氏)という。
B2Bビジネスの“変革”については、市場縮小とコモディティ化との戦いになる単品/ハードを売るベンダーから、新しい要素技術+ソリューションを提供するパートナーになることとした。樋口氏は「顧客に愚直に話を聞いて、その困りごとから逆算する。パナソニックの持つ幅広い要素技術でしか実現できないことがあるはずだ。既にさまざまなお客さまのもとを訪れているが、パナソニックに対する期待は大きい」と語る。
そしてCNS社のコネクティッド(Connected)に込める意味として、「クラウド、IoT(モノのインターネット)、ソフトウェア(AI)でつなげる」「単品/要素技術をつなげる」「組織横断的に『人』がつなげる」「お客さまとつながる」などを挙げた。特に、組織については「壁を取り払い、俊敏でダイナミックな組織にしていきたい」(樋口氏)としている。
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