McKinsey & Companyの日本法人であるマッキンゼー・アンド・カンパニージャパンは、最新レポート「新時代の日本へ:躍動と成長に向けた競争力の再構築」の内容について説明した。
McKinsey & Companyの日本法人であるマッキンゼー・アンド・カンパニージャパン(以下、マッキンゼー)は2026年9月30日、東京都内で会見を開き、最新レポート「新時代の日本へ:躍動と成長に向けた競争力の再構築」の内容について説明した。
1990年以降、日本の一人当たりGDP(購買力平価ベース)の成長率は約30%にとどまっているという。マッキンゼー・アンド・カンパニー 日本代表、シニアパートナーの岩谷直幸氏は「1990年以降のCAGR(年平均成長率)を見てみると日本は0.8%となっており、低い成長率になっているのが実態である」と語る。1990年以降のアジア地域におけるCAGRを比較すると、シンガポールが3.2%、韓国が4.0%、インドが4.5%、中国が8.1%となっている。
現在の日本のように現状維持の状態では、将来的に大きな課題になり得るとマッキンゼーは警告する。マッキンゼー・グローバル・インスティテュート パートナーのソン・ジョンミン氏は「例えばポーランドでは、約30年前の一人当たりGDPは日本の4分の1ぐらいであったが、2026年以降には一人当たりGDPが日本を上回るといわれている。また、日本が誇るインフラ(道路橋)は老朽化の一途をたどっており、2040年までに75%が築50年を超えるといわれている」と説明する。
現在、世界は新たな時代に突入しているとマッキンゼーは捉えている。具体的には「世界秩序」「技術基盤」「人口動態」「資源構造」「資本市場」の5つの要素でルールが変わっているという。地政学的不確実性やAI(人工知能)による変革、人口減少、資源競争、資本コストの上昇などの変化が発生しており、日本はこれに対して急進的な対応をしていかなければならない。
日本が成長するためには、「グローバル成長アリーナ」「日本にとっての重要性/経済安全保障」「日本が強みを持つアリーナ」の3つの軸で注力すべき戦略的優先領域を評価する必要がある。そして、決定的な規模を構築し、バリューチェーン全体で競争する「戦略的投資」、十分に活用されていない強みを引き出して競争力を構築する「構築加速」、これ以外の部分で既に強みを持っており、隣接する他の領域に機会を拡大可能な「優位拡張」、世界的な主導権を握ることは難しくても、戦略的な観点から継続的に関与することが重要な「選択参入」の4つのカテゴリーに分け、戦略を使い分けるポートフォリオアプローチが有効であるという。
ソン氏は「この中で守らなければならない(戦略投資が必要)のが、半導体、蓄エネルギーシステム、ロボティクス、原子力発電である。構築加速の項目ではAIが、優位拡張の項目ではEV(電気自動車)やビデオゲームなどのIPが大事となる。しかし、われわれのカテゴリー分類も市場環境や技術の変化によって十分に変わる可能性があり、あくまでも1つの見方にすぎない」と説明する。
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