エクストリームーDら3社は、中古GPUを活用したAIインフラサービス「Raplase RCA」を開始した。最短即日かつ1GPUから定額利用でき、柔軟な構成変更にも対応する。機密データを扱う製造業が求める「プライベートAI」を低コストで実現する。
エクストリームーD、TES-AMM JAPAN、Cornelis Networksの3社は2026年10月20日、中古のGPUサーバ(循環型GPUサーバ)を活用した企業向けAI(人工知能)インフラサービス「Raplase RCA」の提供を開始したと発表した。3社はそれぞれの技術と供給網を持ち寄り、製造業などに求められる機密性の高い「プライベートAI」環境を、低コストかつ短納期で構築できる仕組みを実現する。
生成AIの普及に伴い、GPUサーバをはじめとするAIインフラへの需要が急増している。しかし、市場では直近で機器の購入価格が跳ね上がっており、発注から納品までに数カ月〜10カ月程度を要するケースも出ているなど、調達リードタイムの長期化と価格高騰が企業のAI活用を進める上で深刻な課題となっている。
エクストリームーD 代表取締役CEOの柴田直樹氏は、「各ハードウェアメーカーからは毎年最新のGPUが発表されているが、企業に最新GPUを100%利活用できるパワーが必要かというと、必ずしもそうではない。オーバースペックに対して多額の費用を払わなければならず、顧客はAIインフラの導入に非常に悩む状況がある」と指摘し、高額な導入コストがハードルとなる実態を説明した。
3社はこうした課題に対し、一定期間使用された型落ちのGPUサーバであっても、企業用途としては十分に実用的な価値がある点に着目した。中古機器を再活用することでインフラの調達コストを抑え、調達期間を短縮し、自社専用のAI基盤を求める企業の迅速な導入を支援する狙いだ。
旧世代のGPUを最新のLLM(大規模言語モデル)などのAIワークロードで活用する際には、GPUメモリの容量不足が課題となる。
エクストリームーDはこの課題を解決するため、富士通の技術「FUJITSU ACB」と自社のチューニング技術を組み合わせた。これにより、「GPUメモリをホストメモリと連携して拡張し、旧世代のGPUであっても性能を落とすことなく最新のAIモデルを稼働できる仕組みを構築している」(柴田氏)という。
また同社は、データセンターのスペースをあらかじめ複数確保し、調達したサーバを設置してサービスを提供する役割も担う。
複数の中古GPUサーバを連携させて高い計算性能を発揮するためには、ネットワーク通信の最適化も不可欠となる。AI/HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)向けのネットワーク技術を展開するCornelis Networksは、400Gbpsに対応した高速ネットワーク製品群「Cornelis CN5000 Omni-Path」を提供する。
同社 日本・アジア太平洋地域統括の山崎拓慈氏は、「ネットワークがボトルネックとなり計算資源を活用しきれない課題がある」と指摘する。専用設計のネットワークハードウェアとソフトウェアを組み合わせることで通信の遅延を抑え、循環型GPUサーバの性能を最大限に引き出す役割を担う。
中古GPUの安定供給は、世界20カ国以上でIT資産処分(ITAD)を展開するSK TESグループの日本法人であるTES-AMM JAPANが担当する。
同社 代表取締役の小沢国彦氏は市場動向について「需要が急拡大する一方で、システム更改により役目を終える機器も増加している」と説明する。同社はグローバルな調達網から一定年数を超えたAIサーバを確保し、適切なデータ消去と検査を実施。顧客の要望によっては使用履歴といったトレーサビリティーを明確にし、循環型の供給基盤を構築する。
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