Rapidusで製造できるか、推論特化2nm世代半導体で医用画像処理システムを開発:人工知能ニュース(1/2 ページ)

LSTCと北海道大学、富士フイルム、GEヘルスケア・ジャパン、imecが、推論に特化した2nm世代半導体を活用する医用画像処理システムの開発プロジェクトについて説明。現行GPUと比較して画像処理速度5倍以上、画像処理のエネルギー効率10倍以上の達成を目指す中で、2nm世代半導体の製造はRapidusが望ましいものの現時点では未定とした。

» 2026年10月21日 06時30分 公開
[朴尚洙,MONOist]

 次世代半導体の量産技術の実現を目的とした研究機関であるLSTC(最先端半導体技術センター)と北海道大学、富士フイルム、GEヘルスケア・ジャパン、ベルギーの半導体研究開発機関であるimecは2026年10月20日、東京都内で会見を開き、5社が共同して取り組む推論に特化した2nm世代半導体を活用する医用画像処理システムの開発プロジェクトについて説明した。現行GPUと比較して画像処理速度5倍以上、画像処理のエネルギー効率10倍以上の達成を目指す中で、2nm世代半導体についてはIBMが設計することを想定しており、製造はRapidusが望ましいものの現時点では未定とした。

会見の登壇者 会見の登壇者。左から、富士フイルム 執行役員・CDOの桝本潤氏、LSTC 理事長の東哲郎氏、北海道大学 教授の工藤與亮氏、GEヘルスケア・ジャパン 技術本部研究開発部長の植竹望氏[クリックで拡大]

 今回の開発プロジェクトは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が経済産業省から委託されている「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先端半導体製造技術の開発(委託)」のうち、「推論に特化した2nm世代半導体を活用する高速・低消費電力な医用画像処理システムの研究開発」に採択されたものだ。研究期間は2026年9月〜2031年9月の5年間で、2029年3月に中間目標に対するステージゲート審査が行われる予定だ。予算規模は、ステージゲート審査までが62億円、ステージゲート審査後を含めた総計で105億円となっている。

研究開発のスケジュール 研究開発のスケジュール[クリックで拡大] 出所:LSTC

 目標となっているのが、推論に特化した2nm世代半導体により低消費電力かつ高い性能でリアルタイムに高解像度の医用画像を処理できる医療機器の開発である。ステージゲート審査までは、サムスン電子の5nmプロセスで製造したIBMのAIアクセラレータ「IBM Spyre Accelerator」を先行ハードウェアとしてAIモデルの開発/最適化を進めた上で、ステージゲート審査後は推論に特化した2nm世代半導体に移行する2段階アプローチを計画している。

 なお、この2nm世代半導体については、IBM Spyre Acceleratorの後継となる製品を想定している。その後継製品は、2nmプロセスの半導体の国産化を目指すRapidusでの製造することを期待しているものの、現時点では未定とした。

 LSTC 理事長の東哲郎氏は「今回のプロジェクトは、北海道大学が中心となって、富士フイルム、GEヘルスケア・ジャパン、imecが連携を図りながら、3つの事業項目で医用画像のAI開発を進めていく。半導体、AI、医療機器、それぞれの専門性を吸収し、最先端半導体を実際に医療現場で役立つ技術へとつなげていくことが大きな特徴となっている」と語る。

プロジェクトの体制 プロジェクトの体制[クリックで拡大] 出所:LSTC
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