TDKは、「CEATEC 2026」において、「スマートグラス用ディスプレイ向けメタオプティクスミラー」などを含むスマートグラス関連技術を出展し、社会への普及を訴えた。
TDKは、「CEATEC 2026」(2026年10月13〜16日、幕張メッセ)において、「スマートグラス用ディスプレイ向けメタオプティクスミラー」などを含むスマートグラス関連技術を出展し、社会への普及を訴えた。なお、スマートグラス用ディスプレイ向けメタオプティクスミラー技術については「CEATEC AWARD 2026」において「経済産業大臣賞」を受賞している。
TDKは、スマートグラス関連事業の強化を進めている。2025年6月に北米のSoftEyeを買収した他、2026年1月にはスマートグラス向けソリューション事業を加速させる「TDK AIsight」を立ち上げた。さらに、2026年6月にQDレーザと事業協力契約を締結した。QDレーザが保有する網膜投影技術を用いたスマートグラス向け次世代RGB光源モジュールおよび光学エンジンの共同開発を進める他、同技術に関する特許権の一部移転も事業協力契約に含まれている。
今回CEATEC 2026で出展したスマートグラス用ディスプレイ向けメタオプティクスミラーは、ナノサイズの反射体で実現したレンズに埋め込み可能な厚さ150nmの超薄型ミラーで、透過率80%を実現したものだ。これを活用し、QDレーザと共同開発を進める網膜投影技術とRGB光源モジュールなどを組み合わせることで、一般的な眼鏡に近い外観を持つスマートグラスの実現を目指す。
従来の網膜直接描画方式では、眼前に大きな曲面ミラーを設置する必要があった。また、導波路方式では、レンズ表面に虹模様が生じることや、外部に映像が漏れることが課題となっていた。
メタオプティクス技術は、ナノサイズの微細な構造を平面上に配置し、光の反射や屈折、集光などを制御する技術だ。TDKはこの技術を応用し、従来の曲面ミラーの機能を薄い平面上で再現するメタオプティクスミラーを開発した。透明な基板の表面に、100nm程度の極めて微細な構造体を特定のパターンで配置することで光の進む方向を操ることができる。そのため、通常のレンズと変わらない形状の眼鏡にディスプレイを埋め込み、フレーム部から投影した映像をメタオプティクスミラーにより最適な方向に反射させることで、外見上の負担なくスマートグラスによる映像表示を見られる。
メタオプティクスミラーは、現状ではモノカラー対応となっているが、数年以内にフルカラー対応の実証と量産化の実現を目指しているという。
スマートグラスは製造や保全などさまざまな場面で活用が期待されてきたが、従来は外観上の問題や、装着への負担の問題などで普及が進んでいない。「今回の技術は装着スタイルの面での課題を解決するきっかけになる。QDレーザとの事業協力が進んだことで、一体となって開発のスピードを上げることができている。スマートグラス市場の本格拡大に向けて開発を加速していきたい」(TDK説明員)としている。
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