オムロンは、米国の産業用PCメーカーであるOnLogicを完全子会社化すると発表。併せて東京都内で記者会見を開き、買収の狙い、背景などを説明した。
オムロンは2026年10月13日、東京都内で記者会見を開き、同日発表した米国の産業用PC(IPC)メーカーであるOnLogicの完全子会社化の狙い、背景などを説明した。
OnLogicは2003年に設立された企業で、IPCの開発、製造、販売を手掛けている。CPU、I/O、通信、筐体などの標準モジュールを組み合わせる設計思想により、約100万通りの構成が可能という自由度の高い堅ろうなIPCを、代理店を介さない顧客への直販を中心とした受注生産方式で展開している。さらに、顧客ごとに異なる個別仕様でありながら、完全カスタマイズほどのコストや納期をかけず、最短2日という短納期で供給するオペレーションを確立しているのが特徴だ。
グローバルで約5500社の顧客基盤を有し、うち北米のFA領域の中堅企業が約2000社を占めている。顧客基盤もデータセンター18%やインフラ14%、エネルギー8%など、FA以外が65%を占めている。2026年度(1〜12月)の売上高は2億5500万米ドル(約400億円)、営業利益は5600万米ドル(約89億円)の見込みだ。2020〜2026年度までの売上高のCAGR(年平均成長率)は24%になっている。フィジカルAI(人工知能)やエッジコンピューティングへの需要拡大、さらにGPUやNPUを搭載した機器の伸長を背景に、さらなる成長が期待されているという。
オムロンはこのOnLogicを6億7500万米ドル(約1067億円)で取得し、100%子会社化する。10月に行った電子部品事業の売却で生み出した原資を含む現預金で実行する。株式の取得は2027年1月を予定している。
取得の目的は大きく「北米市場の成長基盤の獲得」と「GEMBA DX基盤の獲得」の2つに分かれている。
オムロン 代表取締役社長 CEOの辻永順太氏は「OnLogicの買収は成長市場である北米での成長基盤の強化につながる。北米での需要拡大を着実に取り込むことで、より強く、バランスの取れたエリアポートフォリオに進化させる」と語る。
OnLogicの買収によって、幅広い業種にわたる5000社を超える顧客基盤が一挙に手に入り、オムロンの北米市場での売上比率は10%から16%に高まる見込みだ。それに伴い、中華圏市場の売上比率は27%から24%へと低下する。
オムロン 執行役員常務 山西基裕氏は「北米では製造業の高度化に加えて、データセンター、エネルギー、インフラなど新たな領域で設備投資が拡大している。また、グローバルの製造業では現場で使うデータ量も飛躍的に増加しており、制御だけでなく、膨大なデータを現場で高速に処理し、価値につなげる仕組みが求められている。今回の買収はこうした市場の変化と成長機会を制御機器事業の次の成長につなげるための戦略投資となる」と話す。
そして、山西氏が買収の大きな戦略的価値として掲げるのが、OnLogicが展開するIPCとオムロンが得意とするPLC(プログラマブルロジックコントローラー)の融合、そしてフィジカルAI実現に向けた実行基盤の獲得だ。
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