災害支援ロボットは“ダミヤン”を救えるのか!?――レスコン2023レポート：ロボットイベントレポート（2/3 ページ）

[松永弥生，MONOist]

レスキューロボットに課せられたミッション

　このようにフィールドが一新されたため、レスキューロボットに課せられた任務にも変化が生じた。課題は大まかに分けて「作業ミッション」「調査報告ミッション」「救出ミッション」の3つに分けられ、それぞれのミッションでも行うべきことが多数ある。

作業ミッション

1. 救出搬出経路を確保するため、通路上にある障害物の撤去。黄色と黒でマーキングされているオブジェクトを、指定エリアに運びこむ
2. 二次災害発生防止のためにブレーカーを落とし、電気供給を遮断する。フィールド上にある白く光るボタンを押せばクリア

　2023年から新たに追加されたミッションで、ルームBの柱にあるボタンがブレーカーの替わりになっている。課題に特化したロボットはいなかったが、アームを駆使してこのボタンを押すロボットがいた。競技後の活動報告では「やってみたらできました」と、その場の判断でチャレンジしたチームもあったようだ。

今回はガレキ除去に特化したロボットはおらず、ロボット本体でガレキを押しやっているケースが大半だった［クリックで拡大］

調査報告ミッション

1. 建物内の被災状況を報告する。フィールド上に置かれているストーブの中に火がついているものがあるか、報告しなければならない
2. 室内で救助を待つダミヤンの存在を報告。ダミヤンを発見したら、本部へ報告する必要がある

赤い色のストーブは火がついている。ルーム内にストーブがある場合、火がついているかどうかを報告するミッションとなっている［クリックで拡大］

救出ミッション

1. 救出を指示されたダミヤンに支援物資を提供する。ダミヤンの近くに支援物資を届けると、ダミヤンのフィジカルポイントが少し回復する。実際のレスキュー活動において、水や食べ物などを届けているイメージだ
2. ダミヤンの容体判定。ダミヤンの顔色、音声、胸についているQRコードから容体を読み取る
3. ダミヤンを優しく、素早く救出する
4. ダミヤンに痛みを与えないように搬送する

ロボットがダミヤンの容体を判定中。「顔色（頭部の発色）」「音声（周波数）」「鳴動パターン」「QRコード」の4つの識別因子から、「歩行」「負傷」「呼吸」「脈動」「意識」の5つについて容体判定を行う［クリックで拡大］

ベッド上のダミヤンを優しく救助しようとしているが……。ロボットアームとダミヤンの位置が合わず、苦戦していた［クリックで拡大］

救助したダミヤンを安全にヘリポートまで搬送する［クリックで拡大］