業種は違っても「人のふり見てわがふり直せ」宮田健の「セキュリティの道も一歩から」(61)(1/2 ページ)

「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。でも堅苦しい内容はちょっと苦手……という方に向けて、今日から使えるセキュリティ雑学・ネタをお届け! 今回は、医薬品製造の世界で起こった事件からの学びについてお話しします。

» 2021年05月21日 09時00分 公開
[宮田健TechFactory]
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 他者の経験を聞き、自分の糧とすることはどんな分野においても重要です。それこそが「学ぶ」ということの基本ともいえるでしょう。あらゆるものには学びがあり、自分を強くするための素材になり得るはずです。

 それを強く感じることができるレポートが公開されました。ジェネリック薬品を製造する大手企業、小林化工が起こした品質問題を巡る、特別調査委員会による調査結果報告書です。

 この“事件”は、小林化工が製造販売する水虫薬に、睡眠薬であるリルマザホン塩酸塩水和物が混入するという、医薬品製造においてあってはならないことが起きてしまったこときっかけに、小林化工の内部でいったい何が起きていたのかを明らかにしたレポートです。当然、これは医薬品製造における、多くの読者に取っては他業種の事件です。しかしその根本にあることは、おそらく多くの組織にとって耳が痛く、そして自らを振りかえる、いいきっかけになるものであるはずです。二度とこのような事件を起こさないために、いったい何をすべきなのでしょうか。

現場のヒューマンエラーで終わらせないこと

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