スマート工場化の投資効果を明確化するアプローチを開始:製造ITニュース
マクニカネットワークスは、同社の顧客向けに、スマート工場化の投資効果を明確化するアプローチを開始する。併せて、制約理論などに基づく解析ソフトウェアを提供するThroughPutとの協業について、検討を開始した。
マクニカネットワークスは2020年12月1日、同社の顧客向けに、スマート工場化の投資効果を明確化するアプローチを開始すると発表した。併せて、制約理論(Theory Of Constraints)などに基づく解析ソフトウェアを提供するThroughPutとの協業について、検討を開始した。
現状のスマート工場では、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)の活用が重要となっているが、具体的な投資対効果が不明瞭のため、デジタル化につながっていない。こうした課題を解決するため、スマート工場で収集した設備データを基に工程内のボトルネックを検出し、それへの対策の結果、生み出される経済効果を算出し、スマート工場化による経済効果を明確にする。
ソリューション提供イメージ(クリックで拡大) 出典:マクニカネットワークス
具体的には、マクニカネットワークスが提供するスマート工場向けのPLCや後付けセンサーなどのインフラを提供する過程で、ThroughPutのソリューションを活用。製造現場でのボトルネックを早期発見する。同時に、追加生産量や金額、滞留仕掛在庫量とその金額、キャッシュフロー向上効果など、改善活動後の経済効果を算出し、スマート工場化の投資対効果を明確化する。
ThroughPutのソリューション(クリックで拡大) 出典:マクニカネットワークス
≫「製造ITニュース」のバックナンバー
- スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。
- エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。
- 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。
- 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。
- スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。
- いまさら聞けない「マスカスタマイゼーション」
IoT(モノのインターネット)活用などで実現するスマートファクトリーの理想像とされる「マスカスタマイゼーション」。このマスカスタマイゼーションとは何かを5分で分かるように簡単に分かりやすく解説します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.