パナソニック産機システムズは、IoTを活用した冷凍機システムにより、サービス化への取り組みを進めている。「モノ」から「コト」へのビジネスモデル変革で、どういう効果があり、どういう難しさがあるのだろうか。
パナソニック産機システムズは2018年2月6日、都内で技術セミナーを開催し、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用して、コールドチェーン(食品流通事業)への取り組みと、冷凍機システムのサービス化への取り組みについて説明した。
パナソニック産機システムズは業務用設備機器の販売と施工などを行っている。特に強いのが冷凍機や空調など店舗向け設備で、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで国内では高シェアを獲得しているという。
ただ、これらの機器を導入する小売業における現場の人手不足などが顕在化する中で、店舗チェーンでは、設備管理や機器の保守、省エネなどの課題を抱えている。これらに対応するために開始したのが、遠隔データサービス「S-Cubo(エスクーボ)」である。
同社が展開するエスクーボは、温度や消費エネルギーなどを管理する遠隔運用サービス「ERMOS(エレモス)」と稼働状況の異常監視や警報メールの発信を行う遠隔保守サービス「プロメンテツール」、店舗の設備資産を一元管理する遠隔管理サービス「設備台帳サービス」の3つのサービスの組み合わせで構成されている。2009年にエレモスの展開を開始した後、徐々にサービスを拡大してきた。
パナソニック産機システムズでは、これらのサービスを国内1万5000店舗に導入しているという。店舗内にはさまざまな機器や設備が存在するが「設備台帳サービス」はパナソニック以外の設備を登録すれば管理できるが、「エレモス」と「プロメンテツール」は基本的にはパナソニック製の機器のみの監視と制御になる。
「現在の導入状況では全体の3分の2程度が設備台帳サービスとなる。残りの半分がエレモス、半分がプロメンテツール。設備台帳サービス以外はパナソニック製以外の機器への対応が課題となっている。外部センサーなどを付加して対応しているケースもあるが、難しい面がある」とパナソニック産機システムズ コールドチェーン営業本部 ソリューション統括部 統括事業の藤田卓也氏は述べる。
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