日立製作所は、自社が推進する経営革新策「Hitachi Smart Transformation Project」のノウハウをサービス化し、広く製造業の経営革新などに役立つ形で提供する新サービスを開始する。
日立製作所は2015年11月30日、製造業の抜本的な構造改革を支援する「Transformation 支援サービス」の提供を開始することを発表した。同サービスは、日立製作所が2011年から進めてきた「Hitachi Smart Transformation Project(日立スマートトランスフォーメーションプロジェクト、略称:スマトラ)」のノウハウを抽出し、日立グループ以外の製造業にも当てはまる部分を標準化したサービスである。
日立グループのスマトラは、リーマンショック以降、製造業として過去最大の赤字を計上したことを受け、2011年からまずは5カ年の計画として開始。営業利益率10%を目標とし「グループ全体の最適化」や「コスト構造全体を変革する」ことを目指し、現状ベースではなく「あるべき姿」を目指す複合的な企業変革策である。
具体的には年間1000億円のコスト削減や販売費および一般管理費の適正化などのコスト削減策を推進した他、新たなKPI(重要業績評価指標)としてCCC(Cash Conversion Cycle、仕入れから販売に伴う現金回収までの日数)を定めその低減などに取り組んできた。
これらの取り組みを5カ年進めてきたことにより、ある程度経営革新の中で業種によった成果の形が見えてきたことからノウハウを抽出し、一部をベストプラクティス(最良な事例)として、外部に提供していくことを今回決めた。
「スマトラの中で見えてきたノウハウもあれば、新たに作ったシステムなどもある。日立製作所の中には数多くの事業体があり、多くの製造業の業種に当てはまるノウハウにつながる点も大きい。実際に多くの製造業への提案の中で『日立グループではどうしているのか』という声も多く、その要望に応えた形だ」と日立製作所 社会イノベーション事業推進本部 ソリューション・ビジネス推進本部 インダストリープロジェクト本部 本部長の権守直彦氏は述べている。
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