住友金属鉱山が二次電池正極材の増産投資を発表――パナソニック向け需要拡大に備えビジネスニュース 企業動向

住友金属鉱山は2014年10月20日、二次電池用正極材料であるニッケル酸リチウムの生産設備の増強投資を行うと発表した。総額約150億円を投資し、ニッケル酸リチウムの生産能力を現行の月産850トン体制から月産1850トン体制へ増強する。

» 2014年10月21日 11時05分 公開
[EE Times Japan]

 住友金属鉱山は2014年10月20日、二次電池用正極材料であるニッケル酸リチウムの生産設備の増強投資を行うと発表した。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)での二次電池需要の拡大に対応するもの。総額約150億円を投資し、ニッケル酸リチウムの生産能力を現行の月産850トン体制から月産1850トン体制へ増強する方針。

 同社は、パナソニックと共同で、二次電池用正極材料の1つである高性能のニッケル酸リチウムを開発し、パナソニックに供給している。同正極材を用いたパナソニック製の円筒型リチウムイオン二次電池は、米テスラモーターズのプレミアム4ドアセダン「モデルS」に採用されるなどし「需要はさらに増加するとみられる」(住友金属鉱山)という(関連記事:テスラとパナソニックの「ギガファクトリー」、米国ネバダ州での建設が決定)。

 そこで、住友金属鉱山では、ニッケル酸リチウムの生産能力の増強を決定。総額約150億円を投資して、愛媛県新居浜市の磯浦工場などで生産設備の増強を行う。生産増強は2015年12月に完了させる。

 また同社は、ニッケル酸リチウムの原料となる硫酸ニッケルに関しても増産を実施するため兵庫県加古郡播磨町の播磨事業所で生産設備の増強を決定。約50億円を投資し、同事業所の硫酸ニッケルの生産能力を年産2万トンから年産4万5000トンへ引き上げる。なお、同社の硫酸ニッケル生産能力は、新居浜市のニッケル工場の生産能力と合わせて年産7万トン規模となる。

 住友金属鉱山では、「ニッケルの原料鉱石から精練/加工までを一貫して手掛けている強みを生かし電池材料の安定供給に取り組んでいく」としている。

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