ベストセラー「MAKERS−21世紀の産業革命が始まる」の著者クリス・アンダーソン氏は、自身でもインターネットを活用したモノづくりの会社を経営している。誰でもメーカーになれる「モノづくりの民主化」が、オンラインコミュニティーによって全世界に広がってきたことを力説する。
いま話題のベストセラー「MAKERS」を読まずに、今後のモノづくりを語ることはできない。かつての印刷業がPCとインターネットによって「デスクトップ・パブリッシング」へ大きく構造を変えたのと同様に、これから製造業の革命が急速に進んでいくことを、著者のクリス・アンダーソン氏はさまざまな実例を基に浮き彫りにした。
そのベストセラー作家が、2013年2月19日から始まる「ITmedia Virtual EXPO」の基調講演で、まさに進行中の“メーカー革命”の本質を解説してくれる。キーワードは「デスクトップ・マニュファクチャリング」だ。
デジタルの設計データさえあれば、必要な部品を調達して実際に製品を作るまでのプロセスを、インターネット上で完結することができる。3次元の物体を成型できる3Dプリンタが手軽に利用できるようになり、誰もが自分の作りたいモノを製造できる時代になった、とアンダーソン氏は語る。
従来と違うクラスのメーカー(MAKER)が世界の各地で続々と登場している。アンダーソン氏は「モノづくりの民主化(democratization of manufacturing)」が急速に進んでいることを強調する。この民主化に向けて重要な役割を果たすのが、インターネット上に形成されたエンジニアのコミュニティーだ。
部品やツールの使い方を知らなくても、コミュニティーに参加して教えてもらうことで、モノづくりに伴うさまざまな問題を解決しやすくなった。遠くに住むエンジニア同士がアイデアを出し合って、今までにないイノベーティブな製品を生み出すケースも珍しくないという。
しかしデスクトップ・マニュファクチャリングは決して万能なわけではなく、注意すべき点があることをアンダーソン氏は具体的に説明してくれた。さらに日本や米国の製造業が抱える根本的な問題も指摘している。
既に「MAKERS」を読まれた方はもちろん、まだ読まれていない方も、ぜひアンダーソン氏のインタビューを「ITmedia Virtual EXPO」(注1)で視聴して、新しいモノづくりの可能性を実感していただきたい。
視聴者登録受付中!:「ITmedia Virtual EXPO」の概要と視聴者登録のページ
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.