組み込みLinuxの専門技術集団であるリネオソリューションズ。「第15回 組込みシステム開発技術展(ESEC2012)」では、Linux搭載機器の開発を後押しする同社のコア・プロダクトやプロフェッショナルサービスの訴求に加え、パートナー企業とのコラボレーション展開を強くアピールしていた。本稿ではその模様を特別リポートとしてお届けする。
組み込みLinux超高速起動ソリューション「Warp!!」やLinux搭載機器のリモート管理を実現する「SmartU2」、そして、Linux/Androidシステムの実行状況を可視化する「Vzet」、組み込みデータベース「Mimer SQL Embedded」など、次期製品に競争力と付加価値を与えるプロダクトを数多く手掛けるリネオソリューションズ(以下、リネオ)。彼らは、これら複数の“コア・プロダクト”と、黎明期から培ってきた組み込みLinuxに関する高度な技術力・専門性を武器に、Linux搭載機器の開発を後押しし続けている。
この一貫した姿勢は、2012年5月9〜11日の3日間、東京ビッグサイトで開催された「第15回 組込みシステム開発技術展(以下、ESEC2012)」の出展内容からも見ることができた。
おなじみの主力製品の新バージョンや、新たにリリース予定の製品・新機能(Warp!! から生まれた「高速圧縮ライブラリ」/Warp!! のAndroidモードなど)に加え、製品開発・実装を支援するプロフェッショナルサービス、そして、その一環として2012年5月から新たに開始した「Linuxシステム評価サービス」など、組み込みLinux開発を全方位的にカバーするソリューション/サービスを披露。2012年2月に代表取締役社長に就任した小林明氏の下、「組み込みLinuxの専門技術集団」を自負するリネオらしさを存分に訴求していた。
その中でも、今回のESEC2012では、パートナー企業との“コラボレーション”が目を引いた。リネオというとWarp!! やSmartU2に代表されるソフトウェア/ツールや組み込みLinuxの高い技術力に注目が集まるが、「ここ数年、さらにパートナー企業が増え、リネオのコア・プロダクトを生かした製品開発やソリューションに広がりが出てきた」(小林氏)という。
その1つが、日立超LSIシステムズ(以下、日立超LSI)と共同で実現した「組み込み向け高速起動マルチOSソリューション」だ。
これは、組み込みシステムの性能向上ニーズによるマルチコア・プロセッサの台頭を背景に、リアルタイムOSである「T-Kernel」と汎用OSである「Linux」によるマルチOS環境を組み込みシステム上で容易に実現するソリューションだ。日立超LSIが、マルチコア・プロセッサのそれぞれのコアにT-KernelとLinuxを割り当てて独立に実行し、OS間通信・排他制御・デバイス共有を実現する「リアルタイム・ オーガナイザ」を提供。Linux側にリネオのWarp!! を組み込むことで、従来ボトルネックとなっていた汎用OSの起動速度が飛躍的に向上し、電源ONから即座にLinuxの機能(ネットワーク機能、リッチなユーザーインタフェース、Linuxアプリケーションなど)を利用できる。さらに、「広く普及しているSH/ITRON資産を有効活用できる他、T-Kernel側からLinuxを監視し、必要に応じて再起動処理などをかけることが可能なため、システムの信頼性も向上する」(小林氏)という。
主なターゲットとしては車載情報システムを想定しており、「例えば、アラウンドビューモニターの起動・表示といった自動車の安全にかかわる機能をリアルタイムOS側で行い、カーナビゲーションシステムなどのインフォテインメント系の機能を汎用OS側で行わせることができる。しかも、Warp!! を組み込むことにより、従来十数秒かかっていたLinuxの起動時間がわずか3秒台になる。これなら車載情報システムで十分に通用する」(小林氏)。なお、この組み込み向け高速起動マルチOSソリューションは、2012年6月1日から提供が開始される予定だ。
さらに、三菱電機の産業向け汎用シーケンサ製品 MELSEC-Qシリーズの「C言語コントローラ」(ウインドリバーのリアルタイムOS「VxWorks」を採用)に、リネオが提供するANSI/ISO規格 SQL準拠の組み込みデータベース「Mimer SQL Embedded」(開発元:スウェーデンのMimer Information Technology)を搭載したコラボレーション事例も紹介していた。
Mimer SQL Embeddedは、バキュームやリインデックスが不要の“ゼロメンテナンス”なデータベースであり、小フットプリントかつ高機能・高性能が特長。標準的なプラットフォームのみならず、「さまざまな機器に組み込んで利用できる製品」(小林氏)だ。リネオのブースでは、前述のVxWorksを搭載したC言語コントローラだけでなく、Windows OS搭載のノートPCやLinux搭載機器、Android搭載スマートフォン端末上でのデモを披露、マルチプラットフォームでの利用が可能な優れた“柔軟性”もアピールしていた。
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提供:リネオソリューションズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2012年6月30日
組み込みLinuxに関する高い専門性を武器に、開発環境からソフトウェア、関連技術・サービスまでを幅広く手掛けるリネオソリューションズ。先に行われた「Embedded Technology 2011/組込み総合技術展」では、組み込みLinux超高速起動ソリューション「Warp!!」や、Linuxシステムを搭載した機器のリモート管理を実現する「SmartU2」など、次期製品の開発を後押しするソリューションの数々が披露された。
Linuxを製品に搭載するために求められるテクノロジーを追求し続ける組み込みLinuxの専門技術集団、リネオソリューションズ。豊富な製品開発の実績とノウハウを基に、製品の使い勝手や付加価値を高める組み込みLinux開発向けのプロダクト/サービスを数多く手掛け、開発者を支援する。
長野県・塩尻市に拠点を置く、組み込みLinuxの専門技術集団「リネオソリューションズ」。組み込みLinuxの土壌で長年培った高い専門性を武器に、開発環境からソフトウェア、関連技術・サービスまでを幅広く手掛け、組み込み開発における高付加価値を提供し続けている。本稿では、その高い専門性に裏打ちされたソリューション、組み込みLinux“超”高速起動技術「Warp!!」を中心に、リネオソリューションズが提供する“価値”に迫る。