パートナー企業とのコラボ展開でさらなる可能性を見せるリネオの組み込みソリューションESEC2012【特別企画】注目ブースリポート

組み込みLinuxの専門技術集団であるリネオソリューションズ。「第15回 組込みシステム開発技術展(ESEC2012)」では、Linux搭載機器の開発を後押しする同社のコア・プロダクトやプロフェッショナルサービスの訴求に加え、パートナー企業とのコラボレーション展開を強くアピールしていた。本稿ではその模様を特別リポートとしてお届けする。

» 2012年06月01日 10時00分 公開
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Linux搭載機器の開発を後押しするリネオ

 組み込みLinux超高速起動ソリューション「Warp!!」やLinux搭載機器のリモート管理を実現する「SmartU2」、そして、Linux/Androidシステムの実行状況を可視化する「Vzet」、組み込みデータベース「Mimer SQL Embedded」など、次期製品に競争力と付加価値を与えるプロダクトを数多く手掛けるリネオソリューションズ(以下、リネオ)。彼らは、これら複数の“コア・プロダクト”と、黎明期から培ってきた組み込みLinuxに関する高度な技術力・専門性を武器に、Linux搭載機器の開発を後押しし続けている。

リネオソリューションズ 代表取締役社長 小林明氏 2012年2月にリネオソリューションズ 代表取締役社長に就任した小林明氏。「リネオは、Linux搭載機器に競争力と付加価値をもたらすコア・プロダクトだけでなく、実装や評価を手助けするプロフェッショナルサービスにも注力している」(小林氏)

 この一貫した姿勢は、2012年5月9〜11日の3日間、東京ビッグサイトで開催された「第15回 組込みシステム開発技術展(以下、ESEC2012)」の出展内容からも見ることができた。

 おなじみの主力製品の新バージョンや、新たにリリース予定の製品・新機能(Warp!! から生まれた「高速圧縮ライブラリ」/Warp!! のAndroidモードなど)に加え、製品開発・実装を支援するプロフェッショナルサービス、そして、その一環として2012年5月から新たに開始した「Linuxシステム評価サービス」など、組み込みLinux開発を全方位的にカバーするソリューション/サービスを披露。2012年2月に代表取締役社長に就任した小林明氏の下、「組み込みLinuxの専門技術集団」を自負するリネオらしさを存分に訴求していた。

 その中でも、今回のESEC2012では、パートナー企業との“コラボレーション”が目を引いた。リネオというとWarp!! やSmartU2に代表されるソフトウェア/ツールや組み込みLinuxの高い技術力に注目が集まるが、「ここ数年、さらにパートナー企業が増え、リネオのコア・プロダクトを生かした製品開発やソリューションに広がりが出てきた」(小林氏)という。

ESEC2012 リネオソリューションズのブース外観 ESEC2012 リネオソリューションズのブース外観

コア・プロダクトを生かしたパートナー企業とのコラボレーション

リネオ+日立超LSIシステムズ:組み込み向け高速起動マルチOSソリューション

 その1つが、日立超LSIシステムズ(以下、日立超LSI)と共同で実現した「組み込み向け高速起動マルチOSソリューション」だ。

 これは、組み込みシステムの性能向上ニーズによるマルチコア・プロセッサの台頭を背景に、リアルタイムOSである「T-Kernel」と汎用OSである「Linux」によるマルチOS環境を組み込みシステム上で容易に実現するソリューションだ。日立超LSIが、マルチコア・プロセッサのそれぞれのコアにT-KernelとLinuxを割り当てて独立に実行し、OS間通信・排他制御・デバイス共有を実現する「リアルタイム・ オーガナイザ」を提供。Linux側にリネオのWarp!! を組み込むことで、従来ボトルネックとなっていた汎用OSの起動速度が飛躍的に向上し、電源ONから即座にLinuxの機能(ネットワーク機能、リッチなユーザーインタフェース、Linuxアプリケーションなど)を利用できる。さらに、「広く普及しているSH/ITRON資産を有効活用できる他、T-Kernel側からLinuxを監視し、必要に応じて再起動処理などをかけることが可能なため、システムの信頼性も向上する」(小林氏)という。

組み込み向け高速起動マルチOSソリューション ESEC2012で披露した「組み込み向け高速起動マルチOSソリューション」。デモ環境は、ルネサス エレクトロニクスのアプリケーションプロセッサ「R-Mobile A1」を搭載した「Armadillo-800 EVA(アットマークテクノ製)」を用いていた。R-Mobile A1には、ARM Cortex-A9とSH-4Aが各1個搭載されている。日立超LSIのリアルタイム・ オーガナイザを用い、SHコアにT-Kernelを、ARMコアにLinux(最新のWarp!! 3.2を組み込んだもの)を配置。LCDやスイッチ、LEDなどを共有し、それぞれのOSから利用できる。デモアプリケーションにより、電源OFF状態から電源ONで各OSが起動するまでのスピードを体感することができた。T-Kernelは1秒以内、Warp!! を組み込んだLinuxは3秒程度で起動する

 主なターゲットとしては車載情報システムを想定しており、「例えば、アラウンドビューモニターの起動・表示といった自動車の安全にかかわる機能をリアルタイムOS側で行い、カーナビゲーションシステムなどのインフォテインメント系の機能を汎用OS側で行わせることができる。しかも、Warp!! を組み込むことにより、従来十数秒かかっていたLinuxの起動時間がわずか3秒台になる。これなら車載情報システムで十分に通用する」(小林氏)。なお、この組み込み向け高速起動マルチOSソリューションは、2012年6月1日から提供が開始される予定だ。

リネオ+三菱電機:Mimer SQL Embedded

 さらに、三菱電機の産業向け汎用シーケンサ製品 MELSEC-Qシリーズの「C言語コントローラ」(ウインドリバーのリアルタイムOS「VxWorks」を採用)に、リネオが提供するANSI/ISO規格 SQL準拠の組み込みデータベース「Mimer SQL Embedded」(開発元:スウェーデンのMimer Information Technology)を搭載したコラボレーション事例も紹介していた。

Mimer SQL Embedded リネオのブースでは、Android 2.3(Gingerbread)を搭載したスマートフォン端末を用い、Android標準のSQLiteとMimer SQL Embeddedの動作速度の比較デモを実演。また、コラボレーション事例として紹介されていた三菱電機のC言語コントローラは、同時開催の「ソフトウェア開発環境展(SODEC)」でも披露されていた

 Mimer SQL Embeddedは、バキュームやリインデックスが不要の“ゼロメンテナンス”なデータベースであり、小フットプリントかつ高機能・高性能が特長。標準的なプラットフォームのみならず、「さまざまな機器に組み込んで利用できる製品」(小林氏)だ。リネオのブースでは、前述のVxWorksを搭載したC言語コントローラだけでなく、Windows OS搭載のノートPCやLinux搭載機器、Android搭載スマートフォン端末上でのデモを披露、マルチプラットフォームでの利用が可能な優れた“柔軟性”もアピールしていた。

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提供:リネオソリューションズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2012年6月30日

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