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レゾナックの2023年通期業績は減収減益、HDメディア事業の業績不振が影響製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

レゾナック・ホールディングスは、オンラインで記者会見を開き、2023年通期決算と2024年12月期通期業績の見通しを発表した。2023年通期の売上高は前年比7.4%減の1兆2889億円で、営業利益は同106%減の38億円と減収減益となった。減益の大部分は、市況悪化の影響を強く受けた半導体/電子材料セグメントの減益が占めた。

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ケミカルセグメントの減益要因とは?

 ケミカルセグメントの売上高は前年比2.1%減の5163億円で、営業利益は同69%減の77億円となった。石油化学の売上高は4年に一度の定修停止があった前年比で数量増となったものの、ナフサ価格の下落により製品販売価格が下落し減収。一方、営業利益はスプレッドの改善などで増益となった。

 化学品の売上高は、原燃料価格上昇に対応した価格転嫁が進んで製品販売価格は上昇したが、一部製品で数量減となり前年並みを記録した。営業利益は利幅回復により増益となった。黒鉛電極の売上高は、販売数量や製品販売価格ともに前年比で下落し減収。営業利益も受払差のマイナス影響に加えて棚卸資産の評価損により減益となった。

 染宮氏は「2023年11月9日に公表した同年実績の予想と比較すると、ケミカルセグメント以外のセグメントは増益あるいは損失縮小となっている。ケミカルセグメントに関しても予想時点で黒鉛電極の業績悪化を盛り込んでおりほぼ想定水準の利益だった」と語った。

ケミカルセグメントのサマリー
ケミカルセグメントのサマリー[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス
2023年セグメント別売上高/営業利益の実績
2023年セグメント別売上高/営業利益の実績[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

 また、現在進めている構造改革の成果として、HDメディアやモビリティの事業、全社横断で行っている赤字製品の撲滅の事例を紹介した。HDメディア事業では、台湾生産拠点の閉鎖が完了し、2023年初頭と比べ全拠点合算の生産能力を3分の1削減した。これにより、2024年度において固定費約90億円の改善を見込む。

 モビリティ事業では、値上げに関して顧客交渉が8割妥結した。2023年度は合計34億円の採算改善を達成し、セグメント損益も黒字化を見込む。値上げ困難な製品に関しては撤退あるいは人員削減を含むコストダウンで対応する。

 全社横断で行う赤字製品の撲滅では、国内取引を中心にリストアップした、不採算の「製品と顧客の組み合わせ」に対して収益改善を図っている。HDメディア事業、モビリティ事業、石油化学事業の製品を除いたリストアップ品目の75%について2023年12月末までに赤字製品撲滅の施策が完了している。

構造改革の成果
構造改革の成果[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

2024年12月期通期業績の見通し

 2024年12月期通期業績の売上高は前年比3.1%増の1兆3300億円で、営業利益は同836%増の280億円になる見通しだ。半導体/電子材料セグメントは下期からの本格的な市況回復を背景に成長軌道へ回帰し、HDメディア事業はコスト構造見直しの成果を刈り取り黒字化を実現するとみている。

 加えて、イノベーション材料セグメントのアルミ機能部材事業は2024年からモビリティセグメントに変更となる。このセグメント変更に関しては、アルミ機能部材事業の自動車市場へのさらなる注力の他、販売面のシナジーに加え、事業戦略上の鍵となる「軽量化」「熱ソリューション」分野でモビリティ各部門との共創を加速するためだとしている。

2024年12月期通期業績の見通し
2024年12月期通期業績の見通し[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

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