SOLIDWORKSは3DEXPERIENCE基盤との融合で想像力の限界を超える:3DEXPERIENCE World 2023(2/2 ページ)
「3DEXPERIENCE World 2023」の全体講演では、「SOLIDWORKS」および「3DEXPERIENCE Works」を主導する2人のキーマンが登壇し、プラットフォームの価値を訴求。併せて、デスクトップ版SOLIDWORKSユーザーに向けたサプライズも発表された。
デスクトップ版SOLIDWORKSからクラウド基盤が活用しやすくなる
以上のように、SOLIDWORKSユーザーに対して、プラットフォームの価値とその必要性について説明したバッシ氏はサプライズとして、2023年7月1日からデスクトップ版SOLIDWORKSの全てのシートを対象(保守契約必要)に、クラウド上の3DEXPERIENCEプラットフォームに接続/連携するためのロール「Collaborative Designer for SOLIDWORKS」を標準提供することを発表した。
これにより、デスクトップ版のSOLIDWORKSで設計した3Dデータを、クラウド上の3DEXPERIENCEプラットフォームで管理できるようになり、プラットフォームを介して、どこからでも、どのデバイスからでも3Dデータにアクセス可能になる。例えば、3DEXPERIENCEプラットフォームとの接続を前提とする「3DEXPERIENCE SOLIDWORKS」およびWebブラウザベースの「SOLIDWORKS CLOUD」に含まれるアプリケーションとの双方向でのシームレスな連携を実現できる。また、別途3DEXPERIENCE Worksのロールを導入すれば、これまでSOLIDWORKSメインで製品開発をしていた現場でも、「SIMULIA」のハイエンドソルバーによる高度な解析や「CATIA」のジェネレーティブデザイン機能を取り入れた先進的な手法で設計が行えるようになる。
「Working Together」を具現化しクラウド基盤連携する3つのSOLIDWORKS
クマー氏は、ダッソー・システムズのバーチャルツインの概念を用いて初めて設計された「ボーイング777」のエピソードを例に、その当時からの戦略の基礎となっている「Working Together」の考え方の重要性について触れる。
「顧客中心で、一緒に取り組んでいくことで、未来の課題が見えてくる。そうしたDNAを私自身も受け継いでいる。数年前、自ら世界中のSOLIDWORKSユーザーを訪ねる巡礼の旅に出て、たくさんの喜びを感じると同時に、何が機能していないのか、機能性やユーザーエクスペリエンスの質にかかわる問題点を聞くことができた」(クマー氏)
そして、その問題点として多くの人が口をそろえて要望したのが、大規模アセンブリのパフォーマンス(高速化)だったという。
さらに、データ連係などを阻害するサイロ化された環境を打破することや、関係者間とのスムーズかつシームレスなコラボレーションの必要性についても触れ、SOLIDWORKS単体だけで解決するのではなく、個々のニーズを満たすことができるダッソー・システムズの各ブランドのソリューションやテクノロジーとの連携性を高め、製品の提供からエクスペリエンスの提供への変革を支援することを目指していく。その中で3DEXPERIENCEプラットフォームは、「Working Together」を可能にする力を備え、信頼できる唯一の情報源となり、コラボレーションを通じたアイデアやイノベーションの創出を支えるという。
前述した2023年7月1日からのCollaborative Designer for SOLIDWORKSの提供は、日本でもユーザー数の多いデスクトップ版SOLIDWORKSに向けて、3DEXPERIENCEプラットフォームの価値を訴求し、さらなる活用を促すための重要な戦略だといえる。
「Collaborative Designer for SOLIDWORKS」ロールの提供により、デスクトップ版SOLIDWORKSがクラウド上の3DEXPERIENCEプラットフォームと接続して連携可能になる[クリックで拡大]
今回の発表を受け、クマー氏は「デスクトップ版SOLIDWORKS、3DEXPERIENCE SOLIDWORKS、SOLIDWORKS CLOUDのどのアプリケーションを使用するかを気にすることなく設計できる。さらに、3DEXPERIENCEプラットフォームにはユーザー、データ、ライセンスなどを簡単に管理できるツールも含まれる。サイロ化をなくし、ポートフォリオ全体としての価値をさらに高めることができる。コラボレーションの実現、高度なシミュレーションの活用、仮想世界での製造シミュレーションによる検証の他、Webブラウザ上で大規模アセンブリを確認したり、変更を管理したり、高精細なビジュアライズを用いてマーケティング資料の作成に役立てたりなど、3DEXPERIENCEプラットフォーム全体、または3DEXPERIENCE Worksポートフォリオの中に、それらの価値を享受するために必要なものが全てそろっている」とメリットを述べる。
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