SOLIDWORKSは3DEXPERIENCE基盤との融合で想像力の限界を超える:3DEXPERIENCE World 2023(1/2 ページ)
「3DEXPERIENCE World 2023」の全体講演では、「SOLIDWORKS」および「3DEXPERIENCE Works」を主導する2人のキーマンが登壇し、プラットフォームの価値を訴求。併せて、デスクトップ版SOLIDWORKSユーザーに向けたサプライズも発表された。
3D設計/製造ソリューション「SOLIDWORKS」の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2023」(会期:米国時間2023年2月12〜15日/主催:ダッソー・システムズ)が米国テネシー州ナッシュビルで開催された。
事実上の会期1日目となる同年2月13日のゼネラルセッションでは「3DEXPERIENCE Works」ポートフォリオを主導するエグゼクティブバイスプレジデントのGian Paolo Bassi(ジャン・パオロ・バッシ)氏、ダッソー・システムズ 取締役会副会長 兼 最高経営責任者(CEO)のBernard Charles(ベルナール・シャーレス)氏、バッシ氏の後任としてSOLIDWORKSブランドの最高経営責任者(CEO)を務め、SOLIDWORKSのR&DもリードするManish Kumar(マニッシュ・クマー)氏らが登壇し、人間のイマジネーションの限界を超える世界をバーチャルで実現するテクノロジーの可能性について説明した。本稿では、バッシ氏とクマー氏の講演を中心にお届けする。
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あらゆる困難に打ち勝つイマジネーションの力をSOLIDWORKSに
冒頭、バッシ氏は「イマジネーションに限界はない。イマジネーションはあらゆる困難な状況をはねのける力を与えてくれる。そのような背景から、われわれ自身もイマジネーションの限界を押し広げるために、デザインエコシステムを拡張するミッションに取り組み、多くの進化を遂げてきた」と語り、SOLIDWORKSを強化する3DEXPERIENCE Works製品をイマジネーションエンジンと位置付けて、ダッソー・システムズのハイエンドソルバーを用いた流体解析や電磁界解析、デジタル製造シミュレーション、工場の見える化など、さまざまな機能を追加/拡張してきた。
一方、ここ数年、世の中の不確実性がより一層高まり、多くの企業がグローバルサプライチェーンの混乱、慢性的な材料不足や価格の高騰、エンジニア不足などの課題に直面しており、ビジネスの継続性を管理できる新しいアプローチが強く求められている。そのカギを握るのが、人/アイデア/データと、ソリューションをつなぐことで価値が生まれるプラットフォームの存在だとし、「プラットフォームを活用し、イノベーションを世界に適用することでアイデアや洞察に本当の違いをもたらす。データは新しい知識を発見し、これまで把握し切れなかった課題の解決方法などを明確化してくれる」(バッシ氏)。その際、データ自体をプラットフォーム上に置き、データから重要な情報に変換することが重要だという。
さらに、不確実性への対応だけでなく、社会全体の課題として地球環境への配慮も求められている。モノづくりにおいては材料のリサイクル性、分解性などを配慮した設計などが求められ、プラットフォームの力によって、自身が設計したモノが与える環境への影響などについても正確に捉えることができるという。
そして、持続可能性の実現を支えるためのビジネスモデルの転換も必要だとし、バッシ氏は「消費者からユーザーへ、モノの購入からサービスへと、製品開発に取り組む企業はビジネスモデルを新たに発明しなければならない。そうした中、その実現に向けて素晴らしいイノベーションに取り組んでいる企業もある」と説明。講演では、SOLIDWORKSおよび3DEXPERIENCE Worksを活用し、持続可能性とイノベーション創出に力を入れているスタートアップ企業として、AI(人工知能)やロボット、モビリティの開発に取り組むe-novia、100%天然の炭素隔離システムを開発するOcean-Based Climate Solutionsを紹介した。
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