「3DEXPERIENCE Works」がもたらす機能拡張とビジネス効果:3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2021(1/2 ページ)
「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2021」の基調講演で、SOLIDWORKSのブランドCEOであるジャン・パオロ・バッシ氏が登壇し、「SOLIDWORKS ブランド CEO ジャン・パウロ・バッシからのメッセージ」と題して、「SOLIDWORKS 2022」と「3DEXPERIENCE Works」による製品開発プロセスの変革とその活用メリットについて説明した。
ソリッドワークス・ジャパンは、3次元設計ソリューション「SOLIDWORKS」の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2021」を、前回に引き続きオンラインで開催した(ライブ配信:2021年11月16、17日/オンデマンド配信:同年11月16日〜12月3日)。
開催初日(同年11月16日)の基調講演のライブ配信では、SOLIDWORKSのブランドCEOであるジャン・パオロ・バッシ氏が登壇し、「SOLIDWORKS ブランド CEO ジャン・パウロ・バッシからのメッセージ」と題して、新たにリリースした「SOLIDWORKS 2022」と、SOLIDWORKSユーザーにプラットフォームの価値をもたらす「3DEXPERIENCE Works」による製品開発プロセスの変革とその活用メリットについて説明した。
「SOLIDWORKS」の成功を支える3つの要素
冒頭、バッシ氏は「製造/ライフサイエンス/インフラの3つのセクター、11の業界に対し、『3DEXPERIENCEプラットフォーム』を介して、12のブランドを展開するダッソー・システムズの中で、SOLIDWORKSは重要な役割を担っている」と述べ、SOLIDWORKSが全世界で500万以上のユーザーを擁し、35万社以上の企業、3万3000を超える教育/研究機関などに採用され、成長を続けていると強調した。
そして、こうしたSOLIDWORKSの成功は「バリュー」「ビジョン」「ストラテジー」の3つによって支えられているという。
「バリュー」に関しては、“サイエンスとテクノロジーを活用すればより良い社会が築ける”という考えの下、「年齢や経歴を問わず多くの人々に影響をもたらし、構想力を与えるため、SOLIDWORKSは世界中のファブラボと連携し、誰もが自由に設計やモノづくりができる環境を提供している。未来の働き手を刺激し、教育することもわれわれの使命の1つであると考えている」(バッシ氏)とし、価値を生み出す源泉となる人材や環境づくりに注力している。また、世界中にある熱狂的なSOLIDWORKSユーザーコミュニティーに対しても積極的な支援を行っており、ユーザーが求める設計、製造に関するゴールへの理解を深め、それを後押ししている。
「新たにリリースしたSOLIDWORKS 2022の機能強化の範囲は非常に広いが、ユーザーにとって最優先事項であるパフォーマンスの改善に非常に多くのリソースを費やした。なぜなら、それが直接目に見えて、設計開発者の生産性に影響するからだ」(バッシ氏)
「ビジョン」については、製品開発を取り巻く環境がより複雑化していく中、求められるコンピューティング能力や必要とされるシステムの構成も大きく変わっていくとし、“設計の未来は現在とは異なるものになる”との考えを示す。例えば、モバイル機器やクラウドコンピューティング、ビッグデータの活用といったように、オフィスワーカーだけでなく、設計開発者が使用する/求める環境も変化している。
こうした急速な変化に対処するには「最先端のサイエンスとテクノロジーを活用するだけでなく、コミュニティーやバリューネットワークを構築し、“つながる”ことでイノベーションを促進して、競合他社に打ち勝つ力を得る必要がある」とバッシ氏は訴える。
そして、「ストラテジー」として、近年SOLIDWORKSが重要視してきたのが、“プロダクト思考からプラットフォーム思考への変化”である。これはすなわち、SOLIDWORKSから3DEXPERIENCE Worksへの拡張を意味している。ユーザーは、いわゆるデスクトップ版SOLIDWORKSで製品設計を突き詰めていくモノづくりからさらに一歩踏み出し、クラウドプラットフォームを介して、SOLIDWORKS単体にはないより高度な機能を利用したり、データ連携やコラボレーションを推進したりと、柔軟かつ段階的に設計開発プロセスの変革を進めることができる。
「3DEXPERIENCE Worksの活用により、データの整合性を保ち続けることが難しいファイルベースのデータ管理から脱却できる。また、関係者をつなぐコミュニティー機能によって情報の混乱を防ぎ、異なるバージョンのプログラムやデータに起因するトラブルやその対処にかかる時間のムダを排除できる」(バッシ氏)
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