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売れ筋車種の生産ラインも稼働調整/義務化まであと1年の規制、「対応完了」は2割自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)

土曜日ですね。1週間、お疲れさまでした。大雨に見舞われている西日本の皆さまはいかがお過ごしでしょうか。日々の暮らしはもちろんお仕事の面でも、少しでも早く落ち着いた日常に戻れますように。

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義務化まであと1年を切った中で、対応済みは2割

 今週公開した記事についても少し紹介させてください。国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)が定めた自動車のサイバーセキュリティとソフトウェアアップデートに関する国際基準(UN規則)への対応状況に関する調査が、PwCコンサルティングから出てきました。

 これらの規則は、サイバーセキュリティに対応した体制を社内に持つことと、サイバーセキュリティに配慮したソフトウェアアップデートの仕組みを持つよう求めています。2022年7月から、無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)に対応した新車を対象に適用されます。全ての新車に適用が広るのは2024年7月からです。

 同社の調査によれば、2022年7月から適用される国際基準への対応状況は、あまり順調ではないようです。「すでに完了した」という回答は20.8%にとどまりました。2022年7月までに「完了させる予定」と答えた回答者は全体で47.6%でした。全ての車両に対して法規が適用される2024年7月までに95%の回答者が対応を完了する予定だとしています。

 サイバーセキュリティのUN規則では、燃費値のように数字が評価されるのではなく、対策の内容やプロセスが評価対象となります。車両の型式認可を受ける際に、国際基準を満たす体制であることを示す必要があります。サプライチェーンや製造後の自動車の使用期間の全体像を見た対応が必要で、自動車メーカーだけでなく、サプライヤーの参加や自動車のユーザーの理解も不可欠です。

 ただでさえ人材の確保が課題となっている自動車業界ですから、セキュリティ関連の人材まで手厚くするのは簡単ではないかもしれません。しかし、セキュリティも電動化と同じく避けられない取り組みです。ぜひアンケート通りに、2024年7月までに対応を完了してほしいと思います。

→過去の「自動車業界の1週間を振り返る」はこちら

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