日産ノート オーラにNISMOモデル、ドライビングシミュレーターで作り込み:電気自動車
日産自動車は2021年8月17日、同年秋に発売する「ノート オーラ NISMO」を発表した。「ノート」には現在NISMOモデルを設定していないが、ノート オーラはノートよりも全幅が大きくスポーツモデルに向くことから、シリーズとして最高性能を求められるNISMOモデルを開発した。税込み希望小売価格は286万9900円。
日産自動車は2021年8月17日、同年秋に発売する「ノート オーラ NISMO」を発表した。「ノート」には現在NISMOモデルを設定していないが、ノート オーラはノートよりも全幅が大きくスポーツモデルに向くことから、シリーズとして最高性能を求められるNISMOモデルを開発した。税込み希望小売価格は286万9900円。
ノート オーラ NISMOは、EV(電気自動車)によるフォーミュラレース「フォーミュラE」への参戦経験から「駿足の電動シティーレーサー」をコンセプトとした。ベースとなるノート オーラは、ノートと同じくシリーズハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載したハイブリッド専用車だ。
パワートレインはベース車両と共通だが、中間加速の良さを重視してチューニングした。「飛行機の離陸時のように加速が伸び続ける感覚」(NISMO CARS 評価ドライバーの神山幸雄氏)を目指した。
加速感の作り込みにはドライビングシミュレーターを活用し、従来であれば1〜2週間かかる工程を3日間で終えることができたという。ドライビングシミュレーターを活用しながら1000回以上のテストを行った結果、「実車での検証に移っても加速のフィーリングや重力加速度(G)がよくできていた」(同氏)。
また、グリップ性能などタイヤを生かすことを重視した専用サスペンションのチューニングや、サスペンションを動きやすくするために車体の補強を実施した。レース活動で培った空力技術をベースにNISMO専用に最適化した空力性能を実現するデザインを採用。高速走行時の操縦安定性を高めた。新世代のNISMOであることを強調した意匠も取り入れている。
NISMO 最高経営責任者の片桐隆夫氏は、NISMOブランドのグローバル展開を強化していく考えだ。
「NISMOブランドを知っている人は、日産ブランドへの評価が高い傾向にある。そのためにはNISMOモデルのクルマをつくるだけでなく、ブランドを伝えるモータースポーツ活動も必要だ。スポーツモデルと電動化は相性がいい。NISMOブランドのグローバル化を進めるには、『GT-R』と『フェアレディZ』の下に、手頃なモデルや電動車をラインアップして展開できるのが理想だ。日本でやっている取り組みを海外でもやっていきたい」(同氏)
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