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2022年7月から義務化のWP29セキュリティ法規、「すでに完了」は20.8%にとどまる車載セキュリティ(1/2 ページ)

PwCコンサルティングは2021年8月12日、国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)が定めた自動車のサイバーセキュリティとソフトウェアアップデートに関する国際基準(UN規則)への対応状況をまとめた調査レポートを発表した。関連業務に従事する101人から回答を得た。

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 PwCコンサルティングは2021年8月12日、国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)が定めた自動車のサイバーセキュリティとソフトウェアアップデートに関する国際基準(UN規則)への対応状況をまとめた調査レポートを発表した。関連業務に従事する101人から回答を得た。

 これらの法規は2022年7月から適用となるが、サイバーセキュリティマネジメントシステム(Cyber Security Management System、CSMS)への対応について、「すでに完了した」という回答は20.8%にとどまった。2022年7月までに「完了させる予定」と答えた回答者は全体で47.6%となったが、全ての車両に対して法規が適用される2024年7月までに95%の回答者が対応を完了する予定だとしている。

 「現在実施中」と答えた回答者の割合は40.6%で、「すでに完了した」という回答者と併せると6割が着手していることが分かった。「着手済み」「対応完了」と答えた回答者は、自動車メーカー所属では80%に上った一方で、サプライヤーに所属する回答者では49%にとどまった。


CSMSへの対応状況(クリックして拡大) 出典:PwC

企業規模でも対応に濃淡

 自動車メーカーに所属する回答者の答えを見ると、CSMSへの対応を完了したのが30%、対応中が50%となった。未着手という回答は20%だった。

 これについてPwCは「2022年7月から法規の対象となるのはOTA対応の新車だけなので、新車の発売計画に応じてCSMSへの対応を進めているとみることもできるが、全社的なプロセスの構築やサプライヤーの管理に苦慮しているとも考えられる」と指摘した。

 サプライヤーは自動車メーカーよりも遅れが顕著で、対応完了と回答したのが14.8%、着手済みが34.4%、未着手が50.8%となった。「扱う製品によっては、まだ自動車メーカーから正式に対応を依頼されていないサプライヤーもいる。今後、型式認証を取得する新車の開発が進むにつれて、サプライヤーへの対応も強く要求されるようになるだろう」(PwC)。

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