“Oneプラットフォーム、Oneファイル形式”というコンセプトの下、2D−3D−BIM、メカ機能を1つのプラットフォーム上で提供し、その全てを業界標準の.dwgファイル形式で作成できる「BricsCAD」。製造業や建築・土木といった幅広い業界でひときわ注目を浴び、設計現場で高く評価されている理由はどこにあるのか? BricsCADの開発元であるBricsys社の代表に話を聞いた。
製造業、建築・土木業界においてますます存在感が増す“.dwg互換CAD”の中で、顧客要望や業界の進化に挑み続け、ひときわ注目を浴びているのが「BricsCAD」だ。2D−3D−BIM、メカ機能を1つのプラットフォーム上で提供し、その全てを業界標準の.dwgファイル形式で作成できる、他にはない独自の価値が業界内で高く評価されている。
特に定評のある「互換性の高さ」や「プログラムの安定性」にとどまらず、「AI(人工知能)を活用した最新機能」なども実装され、進化し続けるBricsCAD。その強さはどこから来ているのか。BricsCADの開発を手掛けるBricsys社の責任者であるRahul Kejriwal(ラフール・ケジリワル)氏に話を聞いた。
――まず、Bricsysについてご紹介ください。
ケジリワル氏 Bricsysは、エンジニアリング設計およびコラボレーションソフトウェアを提供する企業です。主な製品ブランドには、CADプラットフォーム製品のBricsCAD、コラボレーションソリューション製品の「Bricsys 24/7」があります。当社は2002年にベルギーで設立し、その後、世界の主要地域に開発・営業拠点を設け、現在では全世界80カ国以上の販売代理店と協業し、グローバルで製品を展開しています。
2018年後半にスウェーデンに本社を置くグローバルテクノロジーグループのHexagon(ヘキサゴン)の傘下となりました。
――ヘキサゴングループに加入後、Bricsysにどのような変化が起こりましたか?
ケジリワル氏 ヘキサゴングループに加入以降、BricsysはヘキサゴンのPPM(Process、Power&Marine)部門内で、Leica GeosystemsやMSC Softwareなど各グループ企業と密接に連携しています。
ヘキサゴンはBricsysの事業拡大を積極的にサポートし、ヘキサゴングループ加入から2年間で、Bricsysは過去最高売上高を記録、従業員数も2倍以上に増え、急成長を遂げています。
また、何よりもグローバルテクノロジー企業であるヘキサゴンの傘下になったことで、業界のイノベーターとあり続けることができ、顧客企業や代理店からも高い評価や信頼の声をいただいています。
――BricsCADとはどのような製品ですか?
ケジリワル氏 BricsCADは製造業から建築・土木業界まで、幅広い業界の設計者にご利用いただける最新かつ革新的なCADプラットフォームです。2D/3D CAD、BIM、メカニカル機能を1つのプラットフォーム上で提供し、それらを業界標準の.dwgファイル形式で作成できる「Oneプラットフォーム、Oneファイル形式」という他にはない価値を業界および設計現場にもたらします。
さらに、AIを活用した最新の機能を提供するなど、革新的な取り組みでCAD業界の最前線をリードしています。
――BricsCADの起源、その開発の背景を教えてください。
ケジリワル氏 Bricsysは2002年にErik de Keyser(エリック・カイザー)によって設立され、3年後の2005年にBricsCADをリリースしました。それから20年近く、当社の開発チームは製品を年々進化させてきました。
2007年に「BricsCAD Runtime Extension(BRX)」という開発者向けAPIを公開したことで注目を集め、今では400以上のアプリケーション開発者が製品を開発し、当社Webサイト上でそれらを紹介しています。これだけ多くのアプリケーションが生み出されている背景には、開発者の皆さんがBricsCADのプログラムの安定性に信頼を寄せているからだと自負しています。
2010年には、3Dパラメトリックソリッドモデリング機能を追加し、同時にBricsCADはOpen Design Alliance(ODA)のプラットフォームでリリースしました。そして、5年前には、板金設計ツールとBIMワークフローの提供も行っています。
BricsCADは“顧客ニーズに応えるために進化し続ける”という使命の下、一貫して開発を進めており、われわれはその姿勢を崩すことなく情熱を注ぎ続けています。
――.dwg互換CADとは何ですか?
ケジリワル氏 .dwgファイル形式は、世界的なCAD図面の業界標準です。BricsCADは、ODAとパートナーシップを結び、.dwgをネイティブファイル形式として使用しています。BricsCADはその互換性の高さに定評をいただいておりますが、顧客が保有する既存のLISPプログラムやメニューファイル、マクロ、テンプレートファイルなどを他のCAD製品からBricsCADへ簡単かつ安定して移行できるよう、さらなる改善に取り組んでいます。
――ODAの開発や互換CADの歴史の中で、Bricsysはどのような役割を果たしてきましたか?
ケジリワル氏 当社は、業界をリードする.dwg互換性技術のプロバイダーであるODAの創設メンバーです。ODAが提供するAPIは、以前から「Teigha(ティーガ)」として知られており、業界をリードするグローバル企業を含め、何百もの企業によって何千もの設計アプリケーションの中で使用されています。当社は、ODAからソースコードの強化に対する最大の貢献者として評価をいただき、強い信頼関係を築いております。
.dwgユーザーの利便性を高めるためにも、オープンでフェアなCAD業界を実現すべくODAの開発に協力しています。
――なぜ.dwg互換CADが市場に拡大しているのですか?
ケジリワル氏 長年.dwgユーザーは既存のソフトウェアに縛られていましたが、その契約体系やライセンス費用の高騰に不満を抱いていました。そのような中、.dwg互換CADは、設計環境を変えることなく、公正な価格設定と柔軟なライセンスにより、経費削減と利便性を企業にもたらすと評価され市場が拡大しています。
実際、BricsCADに移行した顧客企業からは「トータルのIT費用を抑えながらもライセンス数を増やすことができた」「利便性や機能性の高い上位グレードのCADを手頃な価格帯で利用できる」といった喜びの声をいただいています。
――.dwg互換CADの信頼性はいかがでしょうか?
ケジリワル氏 Bricsysが提供するソフトウェアはオリジナルのソースコードで開発されており、それ自体が著作権で保護されています。そのため世界の大企業からも信頼され採用されており、日本においても有名企業がわれわれのテクノロジーを信頼し、業務フローに導入いただいています。
お客さまは、BricsCADを使用して、ファイルの編集、閲覧および必要な操作を問題なく行うことができますし、例えば他のCAD製品との間でシームレスに問題なくデータを行き来できます。BricsCADに移行するために、プリンタ、テンプレート、ブロック、またはシートセットのレイアウトを変更する必要はありません。これらは100%互換性があります。
――BricsCADの強みは何ですか?
ケジリワル氏 BricsCADが選ばれる理由はたくさんありますが、日本市場に対して5つのポイントをご紹介したいと思います。
まず、1つ目は「業界をリードするカスタマーサポート」です。BricsCADは、長年の日本市場でのパートナーである図研アルファテックと連携し、業界をリードするカスタマーサポートを提供しています。保守契約の有無にかかわらず無償でメールサポートが受けられます。
2つ目は「技術第一主義」です。他の業界標準のCAD製品とは違い、BricsCADは主軸となる2D/3D機能も継続的に進化させ、改善しています。例として、BricsCADには2018年以降、毎年100以上もの新機能が追加されています。
3つ目は「企業環境の変化に合わせて選べるプラットフォーム」だという点です。最初にBricsCADの2D/3D機能を使い慣れていただき、ご要望や環境変化に応じて、後からBIMやメカニカル機能を追加することが可能です。
4つ目は「柔軟なライセンス」です。BricsCADは、永久ライセンス/サブスクリプションの両方でライセンス提供しています。また、ネットワークライセンスも変わらず提供していますので、ご要望に柔軟にお応えいたします。
最後、5つ目のポイントは「公正な価格設定」です。適正な価格設定に努めており、日本においては2019年以来、価格の引き上げをしていません。
――BricsCADを導入する最大のユーザーメリットは何ですか?
ケジリワル氏 当社が最も大切にしていることは「.dwgの互換性」です。3Dユーザーだけでなく2Dユーザーに対しても新しい機能を開発しています。ユーザーニーズに応え、利便性を高めるために機械学習を含めた最新で最適な機能を提供しています。
最大のユーザーメリットとしてあえてお伝えするならば、「業界をリードするカスタマーサポート」と「将来性のあるプラットフォーム」という2つが挙げられます。日本の顧客要望に応じた最高のサービスを提供できるのがBricsCADだと自信を持って言えます。
――今後5年間で、日本市場と世界でCADソフトウェアベンダーとしてどのような役割を果たしたいと考えていますか?
ケジリワル氏 Bricsysは、BricsCADが世界で最も革新的な設計プラットフォームであり続けることをお約束します。ソフトウェア会社として、パフォーマンス/機能/操作性の面で限界に挑み続け、他社のCADユーザーが諦めていた業界の常識などをわれわれの製品で覆し、お客さまを喜ばせ、そして、驚かせたいと考えています。
ぜひこれからもBricsCADの革新的な挑戦にご期待ください。
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アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2021年6月30日