クラウドサービスでは、「Microsoft Azure」や「Amazon Web Services(AWS)」などの名前をよく耳にする。鈴木氏はそれらとKiiの違いを、「責任の分界点」と語る。鈴木氏によると、Microsoft AzureやAWSなどの「IaaS:Infrastructure as a Service」では、ソフトウェアの構築やセキュリティの確認、障害監視などは顧客が対応しなければならない。つまり、「責任分界点がクラウドの途中にある」(鈴木氏)とする。
Kiiの責任分界点は、モノとクラウド/モノとアプリの間にあり、クラウド全体に責任を持つ。鈴木氏は「AzureやAWSは、ハイパフォーマンスPCやビッグデータをはじめ、さまざまな用途に活用できるプラットフォームなのがすごい。だから、私たちもIaaSにAWSを活用している。当社は、IoTサービスを早く立ち上げることに焦点を絞り、それに必要な機能をそろえた。Kiiを使えば、誰でもIoTを始められるようにしたい」と語る。
また、コスト面においてもメリットがあるという。Iaasではソフトウェアの開発を自社もしくはシステムインテグレーター(SI)が行う必要があるが、機能を拡張するときに追加の投資が必要になる。Kiiは、顧客からの要求をふまえて、IoTプラットフォームの継続的な機能拡張を進めている。それらを利用するには追加の投資は必要なく、発生する金額は、トラフィックによって変わる月額料金のみだ。さらに、拡張した機能のAPIや仕様は、同社のWebサイトから誰でも閲覧できるようになっている。
Kiiは、2007年11月にモバイルデータ同期技術に特化したシンクロアとして設立し、2012年12月に社名を変更した。従業員は2016年11月現在、約80人。東京本社の他、米国や中国、スペインなどに拠点を持ち、日本発でグローバル展開を進めている。
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