技術課題の早期つぶしこみで2億円のコスト削減を実現! 手戻りを防ぐ“開発の見える化”とは?製品開発の見える化

製品開発を取り巻く環境は厳しさを増している。機能と構造の両面で製品の複雑化が進み、従来以上に技術のすり合わせが必要になり、開発の難易度が高くなっている。一方、開発リードタイムのさらなる短縮も求められており、複雑化する製品開発をいかに高精度かつ高効率に進めるかは製造業にとって重要な課題だ。こうした悩みを解決するためには何をすべきなのか。

» 2015年07月29日 10時00分 公開
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複雑化が進む製品開発、従来型のすり合わせはもはや限界

 日本メーカーが作る製品の品質の高さには定評があり、国内のみならずグローバル市場においても競争力の源泉となっている。これを支えてきたのが、設計の“すり合わせ”に関する成熟度の高さだ。これは製品設計において、設計者の意図や基本的な仕様、あるいは技術課題といったものが、役割の異なる複数のチーム間、さらには個々のメンバーに至るまで、しっかり共有できているということを意味している。

 こうした高いレベルのすり合わせを支えてきたのが、熟練エンジニア同士の“あうんの呼吸”や“暗黙知”といった現場のノウハウだ。こうした“人的なコミュニケーション”を強みに、日本メーカーは世界でも類を見ないような卓越したすり合わせを実現してきたのである。

 しかし昨今、製品開発を取り巻く環境は大きく変化している。その1つに製品の機能と構造の両面で複雑化が進んでいるという点がある。例えば自動車のエンジンを例にしても、かつては内燃機関に関する知見やノウハウを共有できていればよかった。しかし現在ではエレクトロニクスの分野である電子制御技術の活用領域が広がり、内燃機関と電動モーターのハイブリッド化なども進んでいる。

 このように、従来は異分野とされていた技術の融合による製品開発の複雑化が、自動車業界のみならず多くの分野で加速している。さらに開発リードタイムのさらなる短縮も強く求められていることから、さまざまな専門領域を担当するエンジニアが同時並行で設計を行わなくてはいけない場合も多い。

電通国際情報サービス エンジニアリングソリューション事業部 営業ユニット 製品企画推進部長の金上裕輔氏

 製品開発の置かれた環境が厳しくなる中、「従来のような人的なコミュニケーションのみで設計のすり合わせを行うのは、もはや限界に達しています」と指摘するのは、電通国際情報サービス(ISID) エンジニアリングソリューション事業部 営業ユニットの製品企画推進部長を務める金上裕輔氏だ。

 「製品の複雑化により担当の細分化が進めば、開発の全体像を俯瞰(ふかん)することは難しくなります。こうした状況において、従来のような人的なコミュニケーションのみで設計のすり合わせを行うと、設計変更が他の要素に与える影響や、技術同士の背反を把握しきれないなどの検討モレが発生する場合も多い。こうした手戻りを回避し、製品開発の効率と精度を同時に高めるためには、構想設計の段階から開発する製品に必要な技術の成り立ちを明らかにし、技術課題を正確に抽出することが重要です。つまり設計者の頭の中を“見える化”し、開発の全体像を共有する必要があるのです」と金上氏は語る。

「技術ばらし」で構想設計段階から開発を“見える化”、技術課題を正確に抽出

 製品の機能や仕様、構成がある程度固まった後の詳細設計フェーズにおいては、3DCADをはじめ、開発チームの情報共有や意思決定を支援するさまざまなITツールがそろっている。しかし金上氏が言うように、複雑化が進む製品開発においては構想設計段階でさまざまな課題を見える化することがポイントとなる。これを実現するITツールがISIDが提供する「iQUAVIS(アイクアビス)」だ。

 製品に具現化しようとしている要求機能と、その実現手段である部品の関係や働きを整理し、技術の成り立ちを明らかにする手法を「技術ばらし」と呼ぶ。iQUAVISはこれまでExcelなどを使い手作業で行われてきたこの技術ばらしを、より高度なITによって支援し、製品開発の見える化をサポートする(図1)。

(図1)「技術ばらし」によりその製品の成り立ち全体を見える化する

 ISID エンジニアリングソリューション事業部 営業ユニット 製品企画推進部のプロジェクトディレクターである梶野秀美氏は、このように説明する。「iQUAVISはツリーや二元表、ブロック図といったグラフィカルな表現により、その製品が達成すべき要求を分解し、機能や部品とひもづけることで技術の関係性を“見える化”します。これにより相互の影響や背反関係を見極め、技術課題をヌケモレなく抽出することが可能となり、ひいては不具合の未然防止に貢献します」(図2)。

(図2)技術ばらしツリーで製品・技術の成り立ちを構造化して考えることが可能になり、影響が及ぶ「心配点」「要因」の見落としを抑制

手戻りを大幅に減らし、約2億円のコスト削減を実現

 技術の成り立ちを明らかにし、製品開発の理想的なシナリオの検討や策定を支援する「技術ばらし」。その結果を受け、根拠のある計画立案と先手を打ったマネジメントを支援する「業務の見える化」、さらに開発プロジェクトのさまざまな局面における意思決定を支援する「判断の見える化」の3つの軸を連携させ、全般的な「開発の見える化」を実現することがiQUAVISの提供するソリューションの全体像である(図3)。

(図3)「技術」「判断」「業務」の3つを見える化し、さらにこれらを連携させることで製品開発の効率化をさまざまな角度から支援する

 これにより、「設計・開発プロセスにおける手戻りを大幅に削減することができます。仮に実機評価で問題が発覚した場合でも、仕様や機能などの『要件』とパラメータや構成部品などの『要素』の関係性を明確に把握できるため、こちらを変更すればあちらに影響が表れるといった“モグラたたき”に陥る心配がなくなります」と金上氏は強調する。

 こうしたメリットからiQUAVISのユーザーは急速に増加しており、既に70社を超える企業が導入している。自動車メーカーをはじめ組み立て加工を業態とする製造業に着目すれば、売上高上位50社のうち半数近い企業に普及が進んでいる状況だ。

電通国際情報サービス エンジニアリングソリューション事業部 営業ユニット 製品企画推進部 プロジェクトディレクターの梶野秀美氏

 これらのユーザー企業において、iQUAVISの導入はどのような効果をもたらしているのだろうか。梶野氏は「あるユーザーでは、開発初期段階での心配点(技術課題)の抽出件数が平均1.7倍に高まりました。その結果として手戻りを大幅に減らし、約2億円ものコスト削減効果(特定機種での平均値)を上げています」と述べる。

 当然のことながら手戻りの削減は、開発リードタイムの短縮にも直結し、エンジニアのモチベーション向上や競争力の強化といった定性的な観点でも絶大な成果をもたらす。さらに、開発の見える化には、設計者の「気付き」を促して創造力を高めるといった効果も期待できる。こうした多方面の価値提供を通じて、iQUAVISはものづくりの革新を支援していくのである。

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アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2015年8月31日

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