CADマネジャー 藍さんが、「AutoCAD」の“使わないと損する”機能を紹介します!「バッチ印刷」や「シートセット」を使えば、200枚ある図面も、編集しながらどんどん印刷できちゃいます。
「明朝の会議用に、いますぐ図面一式200枚を印刷して!」――そう言われたとき、あなたならどうしますか? ……ひょっとして、1つ1つファイルを開いて、印刷しますか?
AutoCADユーザーが“意外と”使ってないのが、「バッチ印刷」。複数の図面を一気にまとめて印刷する機能です。印刷のためにファイルを開く必要もありません。
簡単な操作なので、使わないと絶対損です!
さて、その操作は以下の図の通りです……。
これだけ簡単な操作で、開いていない200枚の図面をまとめて印刷できるなら、どれだけの時間が削減されるでしょうか。これは、説明するまでもないですよね。
今回のお話の中にも出てきましたが、バッチ印刷している間でも図面編集が可能です。「オプション」ダイアログの「印刷とパブリッシュ」タブから設定しておきましょう。
バッチ印刷の進行は、画面右下にあるアイコンで確認できます(以下)。
バッチ印刷している最中は、AutoCADの処理が遅くなりませんか?
印刷処理よりも編集操作が優先されるから、心配ないわ。
バッチ印刷の利用は、モデル空間に原寸で図を描いて、レイアウトで図面を仕上げておくことが条件です!
モデル空間に図面枠まで描いて仕上げた図面では、印刷範囲をその都度指定する必要があるので、バッチ印刷ができません。昔の図面や、他のCADで作成したデータには、こういう状態が多いかもしれませんね。
少なくとも僕の代は、新人の頃にレイアウトを使って図面を描くことを徹底指導されたから、あまり心配ないかー。でも、昔の図面データは、“オール・モデル空間な”図面、結構ありますよ。藍さん、ひょっとしてあれ、全部修正するんすか?
そんな面倒で無駄なこと、するわけないでしょー……。「金輪際! もう絶っ対〜使わない」ってデータまで修正したって、無駄でしかないよ。いまもよく使うデータや、直近で必要なデータだけ、随時修正すればいいのよ。
お話の中に少し出てきた「シートセット」とは、プロジェクトの概念を用いて、関連する複数の図面を管理する機能です。右の図のような「シートセットマネージャ」で、それぞれの図面をツリーで関連付けて管理します。「使っていない」という人は、これも簡単なので、ぜひやってみてくださいね。
この設定をあらかじめしておけば、「この型番の、このユニットの図面だけ印刷したい」「先週の会議用に印刷した図面と同じ組み合わせで印刷したい」というときも操作が楽になります。エクスプローラで、いちいちネットワークのフォルダやファイルを探して選択しなくてもいいのですから。
例えば剣持君が、設計を担当している装置のシートセットを作っておけば、「今から設計の打ち合わせをするよ!」と突然言われても、さっと図面が用意できますね。
シートセットマネージャって、リボンUIになった頃(AutoCAD 2009以降)とか、比較的最近のバージョンからの機能でしたっけ?
あのね、AutoCAD 2005からあったのよ……。
あ、そういえば、前から思ってたんだけど、DWTってDWGと何が違うんすか?
意外と知らない人多いのよね……。基本的に DWGと同じデータよ。DWGに『これをテンプレートとします!』っていう“概念”がくっついてる感じ、かしらね。
AutoCADの開発元であるオートデスクが、ユーザーの現状をじっくり解析して作ったCAD教育プログラム「ACPE(AutoCAD Productivity Enhancement)」は、今回の「バッチ印刷」のような「使わないともったいない!」AutoCADの簡単&便利機能が効率よく学べます。
『AutoCAD ビギナー』の「BIG 5」をマスターするだけで、作業時間が従来比で3分の1になるって聞いたんですけど、これ本当なんですかね? すごいことだとは思うんですけど、なんかいまひとつ、ピンとこないんだよなぁ……。
本当みたいよ? Autodeskユーザーの作業コストを実際にシミュレーションすると、1プロジェクトで240万円以上も削減できるって。びっくりね? コスト削減した分で、剣持君が欲しがってた解析ソフト、買ってもらえるかもよ。
とにかく忙しいんだけど、何とかしてよ!
もっともっとスキルアップして、早く帰りたい!
部レベルで、製図の生産性アップを図りたい!
ACPEについて、詳しくは、オートデスクのWebページでご覧ください。
AutoCAD/AutoCAD LTの機能、あなたはどのくらい使ってますか? 便利な機能をたくさん持ってるAutoCAD/AutoCAD LT、使いこなせば生産性アップ間違いなし。「もったいない度」計算機を使って、あなたの使いこなし度をチェックしてみましょう。
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