XP EmbeddedのOSランタイムイメージを構築する際、依存関係のチェックでいつの間にかInternet ExplorerやOutlook Expressが組み込まれ、OSイメージのフットプリントが増大する場合があります。
FP2007では各コンポーネントの依存関係が見直され、OSランタイムイメージのフットプリントが従来よりも削減されています。
実際に、XP Embedded SP2とFP2007でOSランタイムイメージをビルドした際のイメージサイズを測定してみました。なお、XP Embedded SP2とFP2007は同一のハードウェア情報を利用しました。Basic STBは「Basic STBマクロコンポーネント」、Web Serverは「IIS Web Serverコンポーネント」などを組み込んだ場合、Information Applianceは「Information Applianceマクロコンポーネント」を使用した場合です。
XP Embedded SP2 | FP2007 | |
---|---|---|
Basic STB | 約180Mbytes | 約140Mbytes |
Web Server | 約210Mbytes | 約170Mbytes |
Information Appliance | 約290Mbytes | 約260Mbytes |
上の表のとおり、XP Embedded SP2とFP2007では、OSランタイムイメージのフットプリントに約30〜40Mbytesの差が出ています。
いままで、256Mbytesのストレージ(CFなど)にXP EmbeddedのOSランタイムイメージを組み込むのは難しいことでした。OSランタイムイメージ自体のフットプリントが230Mbytes程度に収まっても、残り領域が20Mbytesしかなければ最大限のパフォーマンスを得ることはできません。そのためにログファイルの作成を抑止したり、ファイル単位でコンポーネントからリソースを削除するなど、地道な作業が要求され開発コストが掛かることもあります。
FP2007によってコンポーネントの依存関係が見直され、フットプリント縮小が実現されれば開発コスト削減が可能になります。また、ストレージ自体もより安価なものを採用できるようになります。
FP2007では、新機能の追加だけでなく既存コンポーネントの見直しも行われました。これにより、
のための設定画面が新設され、コンポーネント設定の一元化が図られています。
以下に、設定方法が改善されたコンポーネントを挙げます。
次回は、XP Embedded開発におけるカスタムコンポーネントの作成方法と各種ツールを使うノウハウについて説明する予定です。(次回に続く)
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