ナフサ不足、結局どっちなんだい! 首相「局所的な目詰まり」も広がる企業の懸念:1週間を凝縮! 今週の製造業ニュース
2026年5月18〜22日に公開された記事の中から、MONOist編集部が厳選した今週の注目ニュースをお届けします。今週は「ナフサ不足、結局どうなの?」です。
2026年5月18〜22日に公開された記事の中から、MONOist編集部が独断と偏見で選んだ今週の注目ニュースをお届けします。今週は「ナフサ不足、結局どうなの?」です。
いつも買っている商品のパッケージから、色が消える――。いま、私たちの身近なところで変化が起きています。連日の報道の通り、カルビーは2026年5月下旬からポテトチップスの包装を白黒印刷に順次切り替えると発表しました。カゴメはトマトケチャップのパッケージ印刷を減らし一部を透明化し、日清製粉ウェルナもパスタ乾麺を束ねるテープを、ゆで時間が表記されたものから無地へと変更しています。
これら異例の対応の背景にあるのが、中東情勢の緊迫化を起点としたパッケージ用インク(溶剤)やフィルムの原料となる、ナフサの供給不足と価格高騰です。自動車業界においても、中東情勢の悪化や海上輸送の混乱を背景としたエネルギーコストの上昇、ナフサ由来となる樹脂部品などの調達の不安が一段と強まっています。
懸念は、業界関係者だけでなく一般消費者にも波及しています。X Mileが製造業の調達/発注担当者を対象に実施した調査では、全体の9割以上が中東情勢による自社事業への影響を懸念しており、すでに半数以上(54%)が「影響が出ている」と回答しました。また、くふう生活者総合研究所が一般消費者約8000人を対象に行った調査でも、93.5%が今回のナフサ不足を認知しており、すでに2割の人が日用品などの「ストック買い」に動いているという実態が明らかになりました。
しかし、事態に対する政府の見解は、現場の認識と温度差が見られます。政府はこれまで「日本全体での必要量は確保できている」と繰り返し説明してきました。産業界で不安が広がる中、21日の関係閣僚会議において高市早苗首相は「流通過程で局所的な目詰まりが発生している」として対策を指示しましたが、根本的な懸念の払拭には至っていません。
「必要量は確保できている」とする政府の説明と、実際に生産コストの増加や仕様変更に直面している企業、そして不安を抱える一般消費者が体感する現実との間には、依然として大きなギャップが広がっています。引き続き、最新の動向を注視する必要があります。
ごみから「国産ナフサ」、製造プロジェクト加速
エナウムは2026年5月19日、廃棄物からナフサを製造する「WTE(Waste-to-Energy)システム活用プロジェクト」において、共同開発/出資パートナーとなる企業/投資家を募集すると発表した。使用済みプラスチックなどの廃棄物から、化学産業の基幹原料である「ナフサ」を生産するプロジェクトを加速している。(2026年5月21日公開)続きを読む
中東情勢緊迫化の影響が「既に出ている」が半数超え……
X Mileは、製造業の調達/発注業務従事者100人に、「中東情勢(イラン情勢等)に伴う製造業への影響調査」を実施したと発表した。(2026年5月22日公開)続きを読む
一般消費者の9割超が「ナフサ不足」認識、最大の懸念点とは
くふう生活者総合研究所(以下、くふう総研)は2026年5月19日、ナフサの供給不足についての調査結果を発表した。(2026年5月20日公開)続きを読む
三菱ケミはナフサ調達に「手応え」も、中東情勢悪化が招く顧客への影響は
三菱ケミカルグループは2026年5月13日、オンラインで記者会見を開催し、2026年3月期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の決算を発表した。併せて2027年3月期(2026年4月1日〜2027年3月31日)の業績予想やこれに対する中東情勢の影響などについて説明した。(2026年5月19日公開)続きを読む
2025年度通期でもスズキがホンダを抜いて2位に、日系自動車生産動向
足元では中東情勢の緊迫化により世界的にエネルギーコストが上昇し、海上輸送にも混乱を招いている。2026年度は日系メーカーが得意とするHEV(ハイブリッド車)人気は追い風となるものの、安定供給できるかは中東情勢の行方次第となりそうだ。(2026年5月21日公開)続きを読む
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