サイネージ搭載の水素カー、“衝突部品”の素材構造構築に3Dプリンタ活用:Japan Mobility Show 2025(2/2 ページ)
豊田合成は、「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー) 2025」で、水素自動車をイメージしたコンセプトカー「FLESBY HY-CONCEPT」やポータブル水素カートリッジ、水素スクーターのコンセプトモデルを披露した。
外板パネルの材料とは
バンパーなどの車体の外板パネルには、プラスチックやゴムなどのリサイクル材を使用した。車内の後部には3本のポータブル水素カートリッジを収納できるスペースを備えている。「ポータブル水素カートリッジから水素を供給する部分は車体の側面部にある。FLESBY HY-CONCEPTは、3本のポータブル水素カートリッジで約200kmを走行できる見通しだ。基本は2人乗りで、折りたたみに対応するリアシートは荷物スペースや臨時席としての使用を想定している」(豊田合成の説明員)。
車体の天面部にはペロブスカイト太陽電池を搭載した。「デジタルサイネージ機能やPOPUPフェンダーの消費電力など、走行以外で使用する電力を、ペロブスカイト太陽電池で発電した電力で賄うことを目指している」(豊田合成の説明員)。
ポータブル水素カートリッジは、豊田合成とトヨタ自動車が開発した製品で、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)や樹脂ライナー、ガラス繊維強化プラスチック層などから成る高圧水素タンクを樹脂ケースに格納したものだ。「同製品の開発に当たっては、トヨタ自動車のFCV『MIRAI』向けに開発した高圧水素タンクの水素貯蔵技術を応用した。外装にはシボ加工を施すことでデザイン性を高めている。現在は製品化に向けて実証中だ」(豊田合成の説明員)。同製品は、自動車やスクーターの動力源としてだけでなく、家庭用電源としての活用も想定されている。
水素スクーターのコンセプトモデルは、水素カートリッジを使用することで、目的地での小移動を実現するモビリティだ。折りたたみにも対応する。FLESBY HY-CONCEPTの側面には折りたたみの水素スクーターを格納するスペースも用意されている。
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