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トヨタ系サプライヤーで減収減益が相次ぐ、マイナス要因は新型コロナ以外にも製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

トヨタ系自動車部品サプライヤー各社は2020年4月30日、2020年3月期通期(2019年4月〜2020年3月)の決算を発表した。デンソー、豊田自動織機、アイシン精機、トヨタ紡織、豊田合成、ジェイテクトの6社は減収減益となり、ジェイテクトは当期純損益が赤字だった。

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 トヨタ系自動車部品サプライヤー各社は2020年4月30日、2020年3月期通期(2019年4月〜2020年3月)の決算を発表した。デンソー、豊田自動織機、アイシン精機、トヨタ紡織、豊田合成、ジェイテクトの6社は減収減益となり、ジェイテクトは当期純損益が赤字だった。

 各社とも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による需要減少の影響を受けたが、デンソーとアイシン精機は品質関連費用も利益を圧迫した。ジェイテクトは欧州の連結子会社において固定資産の減損損失を特別損失に計上したことも影響した。

 2020年4月末現在の稼働状況について、デンソーは「中国は稼働が8割減まで減ったが4月は計画通りまで回復した。日本の稼働は2割減で、欧米は8割減まで落ち込んでいる。中国以外のアジアは5割くらいの稼働だ。感染が収まり始めたというニュースも聞いているが、5月以降の動向は断言しにくい」としている。

 豊田自動織機も「中国が稼働再開、欧米も一部再開し始めたが仕入れ先の状況によって刻々と変化する。国内は車両の生産が数日間止まっており、部品調達の問題などから今後も減産につながる懸念はある」という認識で、先行きは不透明だ。デンソー、豊田自動織機、アイシン精機、トヨタ紡織、豊田合成、ジェイテクトの6社は、2021年3月期の業績見通しは合理的な算出が難しいとして公表していない。

デンソーとアイシン

 各社の業績を見ていく。デンソーの2020年3月期決算は、売上高が前期比3.9%減の5兆1535億円、営業利益が同80.7%減の611億円、当期利益が同73.2%減の681億円で、減収減益となった。2020年3月期第3四半期(2019年4〜12月)までは前年比で横ばいのペースで業績が推移していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響による操業度差損で430億円、国内向けの燃料ポンプに関する品質費用引き当てで2220億円がマイナス要因となり、利益が大幅に減少した。

 デンソーは2021年3月期における設備投資や研究開発費についても未定としている。設備投資は足元を見ながら抑え気味に実施していく考えだ。また、直近で能力増強予定もあったが、需要が落ちていることを踏まえて延期した。研究開発費は、競争力の源泉が技術であるとして一律カットは行わないという。デジタル化や働き方改革を通じて、開発効率の向上に取り組んでいく。

 アイシン精機の2020年3月期決算は、売上高が前期比6.4%減の3兆7845億円、営業利益が同72.7%減の561億円、当期利益は同78.2%減の240億円で減収減益だった。中国市場を中心にAT(自動変速機)の販売台数が減少したことや、新型コロナウイルス感染症の影響が減収要因となった。

 2020年10月末に発表した2020年3月期通期の業績見通しよりも、売上高が1.4%減、営業利益が25.2%減、当期利益は39.8%減となった格好だ。新型肺炎の感染拡大によって中国を中心に世界各国で販売が減少したことが響いた。また、同社は2020年1月31日時点では営業利益を750億円と予測していた。その予想値に対し、構造改革や為替の影響、減価償却費など増加要因があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響が300億円の減益要因となった。この他にも減損など事業処理費用で320億円、品質関連費用で235億円のマイナスとなった。

 なお、アイシン精機は2021年4月1日付で社名を「アイシン」とすることも発表した。アイシン・エィ・ダブリュと経営統合しすることに合わせた商号変更となる。

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