トヨタ系サプライヤーで減収減益が相次ぐ、マイナス要因は新型コロナ以外にも:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
トヨタ系自動車部品サプライヤー各社は2020年4月30日、2020年3月期通期(2019年4月〜2020年3月)の決算を発表した。デンソー、豊田自動織機、アイシン精機、トヨタ紡織、豊田合成、ジェイテクトの6社は減収減益となり、ジェイテクトは当期純損益が赤字だった。
豊田自動織機とトヨタ紡織
豊田自動織機の2020年3月期決算は、売上高が前期比2.0%減の2兆1713億円、営業利益が同4.8%減の1282億円、当期利益が同4.5%減の1458億円の減収減益だった。2021年3月期は業績予想だけでなく設備投資や研究開発費の計画も未定で、重要度や緊急性を重視して今後決めていく。
税引き前利益の増減要因としては、営業面の努力175億円、原価改善120億円などがプラスとなった。一方、新型コロナウイルス感染症で87億円減、台風19号で79億円減の他、為替変動、人件費や減価償却費の増加などがマイナス要因となり、合計で60億円の減益となった。
トヨタ紡織の2020年3月期決算は、売上高が前期比3.2%減の1兆3726億円、営業利益が同22.0%減の477億円、当期利益が同9.7%減の247億円の減収減益だった。減収要因となったのは、日本における製品構成の変化や、新型コロナウイルス感染症による中国、欧州での生産台数の減少だ。利益面は、諸経費の増加や移転価格税制調整金の影響で北中南米地域で前期比95.9%減となった。欧州では、減産の影響や欧州子会社における資金流出事案に伴う見積もり損失で60.5%減のマイナスだった。
ジェイテクトと豊田合成
ジェイテクトが発表した2020年3月期の決算は、売上高が前期比6.7%減の1兆4185億円、営業利益は同47.9%減の346億円、当期純損益は66億円の赤字となった。ステアリングや駆動部品などを扱う「機械器具部品」では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による需要の減退により、売り上げは前期比6.6%減となった。工作機械の売り上げも、日本やアジアでの販売減少により前期比7.8%減となった。営業利益は、機械器具部品が減収により前期比55.6%減、工作機械が同29.8%減となった。当期純損失は、営業利益の減少に加えて、欧州の連結子会社において減損損失を特別損失に計上したことの影響も受けた。
今回の決算は、2020年1月末時点での見通しと比べて売り上げ、利益ともに下ブレした。直近の予想から売上高は1.5%減、営業利益が22.9%減、当期純損益は246億円減となった。要因としては、米中貿易摩擦の長期化や各地域の経済減速などによる需要の減少、新型コロナウイルス感染症の感染拡大、欧州の連結子会社において固定資産の減損損失を特別損失に計上したことなどがある。
豊田合成が発表した2020年3月期の決算は、売上高が前期比3.3%減の8129億円、営業利益が同51.0%減の178億円、当期利益が同47.0%減の138億円で減収減益となった。2021年3月期の業績見通しについては未定としている。新型コロナウイルス感染症の感染拡大による販売減少の他、ドル安や元安が減収要因となった。利益面は販売減少に加えて、ドイツの生産子会社の事業整理損失が影響した。
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