サイネージ搭載の水素カー、“衝突部品”の素材構造構築に3Dプリンタ活用:Japan Mobility Show 2025(1/2 ページ)
豊田合成は、「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー) 2025」で、水素自動車をイメージしたコンセプトカー「FLESBY HY-CONCEPT」やポータブル水素カートリッジ、水素スクーターのコンセプトモデルを披露した。
豊田合成は、「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー) 2025」(プレスデー:2025年10月29〜30日、一般公開日:同年10月31日〜11月9日、東京ビッグサイト)に出展し、水素自動車をイメージしたコンセプトカー「FLESBY HY-CONCEPT」やポータブル水素カートリッジ、水素スクーターのコンセプトモデルを披露した。
走行する自転車の衝突時に一部が張り出し、衝撃を吸収
水素で走行する燃料電池車(FCV)を想定しているFLESBY HY-CONCEPTは、停車時に車体の前部にユーザーが近づいた際に、装着されたセンサーがセンシングし、フロントガラスの下部に搭載された電光板が「Welcome」などのメッセージを表示する「ユーザーコミュニケーション機能」を備えている。
車体の側面には「ボディーサイネージ機能」を実装した。ボディーサイネージ機能は車両の側面に映像を投影できる。活用方法について一例を挙げると、FLESBY HY-CONCEPTの走行時に、装着されたセンサーでサイクリストや歩行者の接近を検知した際に警告に関する映像を投影可能だ。同機能は将来、ユーザーの健康状態を検知し表示可能とすることも構想されている。「ミリ波の透過技術を活用することで、樹脂製の外装部品への映像投影を実現している」(豊田合成の説明員)。
バンパーには「POPUPバンパー」を、フェンダーには「POPUPフェンダー」を採用した。POPUPバンパーとPOPUPフェンダーは、走行中の自転車などと衝突した際に一部が張り出して衝撃を吸収し、自転車の乗員が投げ出される勢いを抑えるとともに、衝突方向の制御を図る構造となっている。両製品はフロントノーズ(ボンネットなど)が短い車両デザインに対応している。豊田合成の説明員は「両製品は、衝突する表面部分は柔らかい素材を、内部は硬い素材を使っている。加えて、衝撃を吸収する目的で車体への取り付け部に『たわむ』構造を採用した。こういった構造を実現するために、両製品の製造では3Dプリンタを活用している」と述べた。
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