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エッジAIで車室内の機能を進化させる、TIがCESで車載向け新製品を発表CES 2025(2/2 ページ)

日本テキサスインスツルメンツ(日本TI)が「CES 2025」で発表した新製品である、車室内向け60GHz帯ミリ波レーダーセンサー「AWRL6844」、車載オーディオ処理用のMCU「AM275x-Q1」とプロセッサ「AM62D-Q1」について説明した。

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車載オーディオの新製品は次世代DSPコア「C7x」を搭載

 AM275x-Q1とAM62D-Q1は、TIの次世代型ベクトルベースDSPコア「C7x」を搭載する車載オーディオ処理用の製品である。C7xは、1GHz動作時に1コア当たり40GFLOPSの処理性能を発揮する。これは競合デバイス比で4〜8倍に達し、各DSPコアを使って複数のオーディオ機能を管理できる。

「AM275x-Q1」と「AM62D-Q1」の特徴
「AM275x-Q1」と「AM62D-Q1」の特徴[クリックで拡大] 出所:日本TI

 DSPであるC7xと行列乗算を行うアクセラレータの組み合わせによってNPU(Neural Processing Unit)を形成できるので、従来型のオーディオアルゴリズムに加えて、エッジAIベースのオーディオアルゴリズムも実行できる。これにより、空間オーディオ、アクティブノイズキャンセレーション、音声合成などの機能を活用して車内で没入型のオーディオ環境を実現できるようになる。イーサネットAVBに対応する車載ネットワークインタフェースも備えているので、車室内オーディオの多チャンネル制御にも対応できる。

「AM275x-Q1」と「AM62D-Q1」の回路ブロック図
「AM275x-Q1」と「AM62D-Q1」の回路ブロック図[クリックで拡大] 出所:日本TI

 AM275x-Q1は、Armの「Cortex-R5」を採用したMCUであり、10.75MBのオンチップRAMを用いたシングルチップのオーディオソリューションを構築するのに適している。一方、AM62D-Q1は、Cortex-R5に加え「Cortex-A53」も搭載するプロセッサであり、メモリは1.25MBのオンチップRAMに加え、外付けのLPDDR4を用いる。より高度なオーディオソリューションの構築が可能だ。DSPとアクセラレータを用いるオーディオ制御のソフトウェアは、AM275x-Q1とAM62D-Q1の両方で利用できるので、オーディオシステムを多面的なグレードで展開するのにも役立つ。

「AM275x-Q1」と「AM62D-Q1」のメモリ
「AM275x-Q1」は大容量のオンチップメモリを活用できる。「AM62D-Q1」は「Cortex-A53」とLPDDR4メモリを使ってより高度な機能を実現できる[クリックで拡大] 出所:日本TI

 なお、AM275x-Q1とAM62D-Q1は、車載オーディオアンプ「TAS6754-Q1」との組み合わせが最適だという。TAS6754-Q1は、TI独自の単一インダクタを使用する1L変調テクノロジーにより、良好なオーディオ性能や消費電力を実現できるとともに、既存のClass-Dアンプと比べてインダクタの数を半分にすることが可能だ。

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